2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
幅上 茂樹 山形大学, 工学部, 助教授 (30252266)
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Keywords | ビナフトール / ポリナフチレン / 芳香族系高分子 / 酸化カップリング重合 / 2,3-ジヒドロキシナフタレン / 光学活性高分子 / 銅触媒 / 立体制御 |
Research Abstract |
1,1'-ビ-2-ナフトールは、有機化学の分野において最も重要な不斉骨格の1つである。高分子合成の分野においても、この骨格を高分子主鎖中に導入することによる高次構造や機能制御などの多くの研究がなされてきている。これに対して我々はこれまでに、ビナフトール骨格がその4,4'-位で連続的に結合した主鎖構造からなるポリマーの合成に成功しており、新規な芳香族系高分子・機能性高分子として非常に興味深いものであることから、より簡便な合成法の開発・構造制御、その応用などについて検討を行っている。本年度は、新規な触媒系の開発による簡便かつより高度な立体制御の可能性について検討を行った。 実用性の観点から、市販の安価な化合物である2,3-ジヒドロキシナフタレンをモノマーとして用いるポリマーの構築法について検討を行った。その結果、2核型の構造を有する新規な銅(II)錯体が比較的高い活性を有することを見出した。この錯体は極めて容易に調製できる上に、これまで用いてきた銅(I)錯体に比べ、安定で取り扱いが容易であることなどから、非常に有効であると考えられる。しかし、立体制御に及ぼす効果については、これまでのところ、十分な効果は得られておらず、配位子のより高度な設計が必要である。一方最近、不斉酸化カップリング反応の触媒として効果的であることが報告されている、オキソバナジウム錯体の重合における触媒としての効果について調べたところ、配位子の構造や重合条件を設計することにより、触媒活性や立体構造のより高度な制御が可能であり、新規な不斉酸化カップリング重合触媒として有効であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Habaue, T.Seko, Y.Okamoto: "Copper(I)-Catalyzed Asymmetric Oxidative Coupling Polymerization of 2,3-Dihydroxynaphthalene Using Bisoxazoline Ligands"Macromolecules. 36(8). 2604-2608 (2003)
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[Publications] S.Habaue, T.Seko, M.Isonaga, H.Ajiro, Y.Okamoto: "Stereoselective Synthesis of (R,R)-, (S,S)-, and (R,S)-Poly(2,3-dihydroxy-1,4-naphthylene) Derivatives by Asymmetric Oxidative Coupling Polymerization"Polym.J.. 35(7). 592-597 (2003)
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[Publications] S.Habaue, T.Seko, Y.Okamoto: "Synthesis of Poly(1,4-naphthylene) Bearing Crown Ether Side Chain by Asymmetric Oxidative Coupling Polymerization"Polymer. 44(25). 7377-7381 (2003)
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[Publications] 幅上茂樹: "新しい芳香族系高分子:ポリ(2,3-ジヒドロキシ-1,4-ナフチレン)の開発"機能材料. 24(2). 23-29 (2004)