2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350066
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
幅上 茂樹 山形大学, 工学部, 助教授 (30252266)
|
Keywords | ビナフトール / ポリナフチレン / 芳香族系高分子 / 酸化カップリング重合 / クロスカップリング / 光学活性高分子 / 交互共重合 / Head-Tail構造 |
Research Abstract |
1,1'-ビ-2-ナフトールは、有機化学の分野において最も重要な不斉骨格の1つである。この特徴的な骨格に基づき、ビナフトール類は不斉合成反応触媒や光学分割などに幅広く応用されているばかりでなく、高分子中に導入することによる高次構造や機能制御などに関しても数多くの研究がなされてきている。したがって、その精密合成法の確立は極めて重要な研究課題である。2-ナフトール誘導体の酸化カップリング反応はその最も効果的な構築法の1つであるが、これまでホモカップリング反応にていては数多く報告されているものの、触媒的なクロスカップリング反応に関する研究例はほとんど知られていなかった。 我々はこれまでに、市販の2,3-ジヒドロキシナフタレンをモノマーとした不斉酸化カップリング重合において、銅(I)-ビスオキサゾリン錯体が高い触媒活性を有し、ポリ(2,3-ジヒドロキシ-1,4-ナフチレン)を室温で定量的に与えることを見出している。この酸化カップリング反応としては新規な触媒系についてさらに詳細に検討を行なった結果、2-ナフトール誘導体と3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸エステル類とのカップリング反応において極めて高いクロスカップリング選択性を示すことを見出し、その選択性は最高で99.7%に達した。さらにこの触媒系を用い、非対称型あるいは対称型の6,6'-ジヒドロキシ-2,2'-ビナフチル誘導体の不斉酸化カップリング重合を行なったところ、前者の単独重合では、クロスカップリングユニット比(Head-to-Tail構造)99%に達する、また後者の共重合反応では、同比(交互共重合構造)93%に達するポリマーが高選択的に得られた。すなわち、様々な構造を有するポリ(ビナフトール)誘導体を高選択的に構築することに成功した。
|
Research Products
(7 results)