2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350086
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Research Institution | Graduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki University |
Principal Investigator |
袁 徳其 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70304962)
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Keywords | シクロデキストリン / 化学発光 / エネルギー移動 / 超分子形成 / 分子認識 |
Research Abstract |
1.過シュウ酸エステルおよび色素間のエネルギーマッチングの最適化:過シュウ酸エステルの反応から生じる化学エネルギーと色素の励起エネルギー間のマッチングが化学発光強度の増強に極めて重要な要素である。β-シクロデキストリン(β-CD)などの色素を導入して色素-CD連結体を合成し、構造を決定した。解析により、fluoresceinおよびrhodamineのCD連結体はラクタム構造を取り、化学発光測定に不適切と判断した。その他の色素CDを用いて、過シュウ酸エステル(TCPO)の化学発光反応について詳細に検討を行った。その結果、CDと連結していない色素に比べ、acridine、anthraceneおよびdansylのCD連結体は小さな増感効果をしか示さなかったが、pyrene-CDおよびcoumarin-CD連結体に大きな増感効果(約100倍まで)を認めた。 2.包接部位および色素の協同作用の最適化:増感効果の高いpyreneおよびcoumarin-CD連結体について、連結部位、CDの環構造、色素の数等が増感効果にもたらす影響を検討行った。Coumarin系では、すべてのcoumarin-CD連結体はcoumarinより強い発光を示し、β-CDの連結体はγ-の方より効率が高かった。また、色素がCD一級水酸基側に連結したものは二級側の方より高い増感効果を示した。面白いことに、モノ体からジ体より高い発光強度が認められた。これらの結果から、CDは一級水酸基側に結合した色素により効果的に協同作用を示すことが明らかとなった。Pyrene系でも、類似した傾向が認められている。 3.ポルフィリン-CD多量体によるステロイド系物質のセンシング:ポルフィリンにCD1個〜4個を導入したものは、TCPOの発光反応においてCDをもたないポルフィリンより1.8〜5倍強い発光強度を示した。反応液に存在するステロイド系物質が、ポルフィリン-CD多量体の増間効果が弱まり、最大96%の化学発光の消光をもたらした。なかでは、ポルフィリン-CD四量体は、50%消光に5μM_chenodeoxycholic acid,170μM ursodeoxycholic acidまたは160μM corticosteroneをしか必要としなく、chenodeoxycholic acidに対して特に高選択的且つ高効率的センシング能を示した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Enantiodifferentiating [4+4] photocyclodimerization of 2-anthracenecarboxylate catalyzed by 6A, 6X-diamino-6A, 6X-dideoxy-γ-cyclodextrins : Manipulation of product chirality by electrostatic interaction, temperature and solvent in supramolecular photochirogenesis2005
Author(s)
C.Yang, G.Fukuhara, A.Nakamura, Y.Origane, K.Fujita, D.-O.Yuan, T.Mori, T.Wada, Y.Inoue
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Journal Title
Journal of Photochemistry and Photobiology, A : Chemistry 173・3
Pages: 375-383
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