2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350090
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
西畑 保雄 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (90218181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水木 純一郎 独立行政法人, 日本原子力研究開発機構・量子ビーム応用研究部門, 上級研究主席 (90354977)
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Keywords | 触媒 / 自動車排ガス浄化 / 自己再生 / 放射光 / XAFS / X線異常分散 / ペロブスカイト / 時分割 |
Research Abstract |
貴金属複合ペロブスカイト型酸化物はガソリンエシジンの排気ガス中に含まれる窒素酸化物、一酸化炭素、未燃燃料の無害化のための高い触媒活性を有する。それは排ガス中の酸素濃度の変動に応じ、結晶構造を自ら変化させながら結果として、貴金属微粒子のサイズを小さいまま保持できるためである。その自己再生機構は平成15、16年度にわたり明らかにしてきた。本年度は以下の2点を明らかにした。(1)貴金属パラジウムの固溶析出の速度を10ミリ秒の時間分解能で明らかにした。エネルギー分散型X線吸収微細構造スペクトル(DXAFS)の実験はフランス、グルノーブルにある第三世代大型放射光施設ESRFのDXAFS専用ビームラインID24で行った。ペレット状の試料はガラス管に入れられ、赤外線加熱装置により昇温しながら酸化ガス・還元ガスを交互に流すことによって試料周りの雰囲気を変えた。実験データの詳細は現在解析中であるが、実用上問題ない充分高速でパラジウムの状態変化が起こっていることが分かった。興味ある低温域での貴金属の状態変化や、貴金属粒子サイズの時間依存性・温度依存性も明らかになってきており、その結果は順次公表される予定である。なお、同様の測定が可能なDXAFS装置は日本の第三世代大型放射光施設SPring-8の原子力機構ビームラインBLl4Blにも建設中であり、平成18年度初めに完成する予定である。(2)自己再生型触媒の設計指針も明らかになり、パラジウムに引き続きロジウムと白金に自己再生機能を付与することにも成功した。
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Research Products
(4 results)