2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造制御された固体触媒を用いる環境調和型精密有機合成
Project/Area Number |
15350093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
窪田 好浩 岐阜大学, 工学部, 助教授 (30283279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉 義弘 岐阜大学, 工学部, 教授 (90281047)
船曳 一正 岐阜大学, 工学部, 助教授 (50273123)
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Keywords | ナノ構造制御多孔質 / メソポーラス / マイクロポーラス / シリケート / 塩基触媒 / 有機基 / 固定化 / Knoevenagel縮合反応 |
Research Abstract |
精密合成反応の反応場として用いるために種々のナノ構造制御多孔質骨格を合成した。メソポーラス・シリケートとしては、一次元細孔をもつMCM-41、FSM-16、SBA-15、C-8H等や、多次元細孔をもつSBA-1等であり、マイクロポーラス・シリケートとしては、ベータ型ゼオライトやMCM-22等である。これらの規則構造は、粉末X線回折、窒素吸着などの手法により確認した。合成したこれらのシリケート類を担体として、ポストシンセシスによる有機基の固定化を行った。固定化には主として骨格シラノールとアルコキシシランの縮合反応を用いた。有機基の固定化量は、元素分析および熱分析により見積もった。窒素吸着挙動の詳細な検討により、有機基は主として細孔内に固定化されていることが示唆された。次に、アミノプロピルシリル(AP)基を固定化した各種シリケートを塩基触媒としてKnoevenagel縮合反応を試みた。触媒活性は細孔構造に依存し、細孔が基質に対して十分に大きいことが高い活性を示す必要条件であることがわかった。細孔径が基質サイズと同等以下になると、活性(触媒回転数)は極度に低下した。この事実もまた、触媒活性点が細孔内に固定化されていることを示唆した。触媒活性の細孔構造依存性は、分子認識現象の一つと考えられた。 以上は骨格合成後に有機基を導入する「ポストシンセシス」法であるが、これに対し骨格合成と同時に活性点を導入する「直接導入法」も検討した。しかし、触媒性能は「ポストシンセシス」法で調製したもののほうが優れていた。 有機基固定化シリケートのほかに、各種四級アンモニウムと種々のシリケート骨格との複合体触媒も合成した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Kubota, Y.Nishizaki, H.Ikeya, M.Saeki, T.Hida, S.Kawazu, M.Yoshida, H.Fujii, Y.Sugi: "Organic-silicate hybrid catalysts based on various defined structures for Knoevenagel condensation"Microporous and Mesoporous Materials. (印刷中). (2004)
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[Publications] Y.Kubota, K.Goto, S.Miyata, Y.Goto, Y.Fukushima, Y.Sugi: "Enhanced effect of mesoporous silica on base-catalyzed aldol reaction"Chemistry Letters. 32巻・3号. 234-237 (2003)
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[Publications] 窪田好浩, 後藤邦雄, 宮田慎太郎, 杉 義弘: "塩基触媒アルドール反応に対するメソポーラスシリカの添加効果"触媒. 45巻・6号. 528-530 (2003)
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[Publications] K.Funabiki, K.Matsunaga, M.Nojiri, W.Hashimoto, H.Yamamoto, K.Shibata, M.Matsui: "The Use of Trifluoroacetaldehyde Ethyl Hemiacetal or Hydrate in a Simple and Practical Regioselective Synthesis of β-Hydroxy-β-trifluoromethyl Ketones from Enamines and Imines"The Journal of Organic Chemistry. 68巻・7号. 2853-2860 (2003)
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[Publications] 船曳 一正: "フッ素でチューニングされたエノール誘導体の選択的変換反応を活用する各種有機フッ素化合物の合成"有機合成化学協会誌. 62巻・6号(印刷中). (2004)