2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350103
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
功刀 滋 京都工芸繊維大学, 副学長 (70111929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 直毅 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (60243127)
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Keywords | 高圧力 / タンパク質 / 合成高分子 / 高次構造修復 / シャペロン |
Research Abstract |
タンパク質の機能発現には3次元立体構造の形成が必須であるが、アミノ酸配列から3次元の立体構造への変換の規則は解明されておらず、取扱いを誤るとたやすく不可逆的な変性状態に至ってしまう。この不可逆変性の主因はタンパク質鎖同士の凝集であり、この現象はタンパク質の構造・物性研究において大きな障害となっている。本課題ではこの問題を解決するべく、申請者らが独自に考案したタンパク質立体構造修復法を展開した。現在行われている修復法は、大別して(1)生化学的方法、(2)化学的方法、(3)物理化学的方法になるが、本課題では、(3)の一環として高圧力を用いることを基盤とし、これに(1)、(2)の生化学・化学的方法を重層することでより広汎に適応できる方法論を構築するものである。まず、elastinのモデルベプチドやL-/DL-体のPHPMAなど温度・圧力感受性水溶性高分子、いわゆる生体高分子ミメティクスにおいて、温度制御下の高圧印加による高次構造安定性ならびに再生機能を精査し、実験結果を系統的に解析するとともに、修復システム構築プランを作成した。また、Double-domainタンパク質であるPGKやkumamolisinおよびAmyloid形成タンパクInsulinなどについて高次構造喪失・再生、会合体形成について探求を加え、さらに、これらタンパク質と上記合成高分子および親水性ゲルPNIPAM, PVIBAに共通に見られる現象を精査し、生体高分子と合成高分子の高次構造形成における相同点と相違点を明確にした。一方、大腸菌からクローニングした分子シャペロンDnaJ、ClpBなどの遺伝子を用いて活性部位フラグメントタンパク質を作製し、りん脂質の疎水部に固定化したリポソームや粒子表面に固定化したものを調製し、タンパク質修復分子デバイスを作成した。新規なタンパク質立体機能構造修復システムの具体的提言に繋がる成果を得た。
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Research Products
(4 results)