2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ共連続電荷拡散パスの低温構築とプラスチック色素増感太陽電池での検証
Project/Area Number |
15350112
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
早瀬 修二 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (80336099)
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Keywords | 色素増感太陽電池 / 共連続 / イオン / 電子 / チタニア / ナノ / 低下速度EB / プラスチック |
Research Abstract |
共連続構造は広い接触界面を有し、電荷分離を伴う電子デバイスに必須の構造である。低温でナノ共連続構造を有するイオン(荷電)パスと電子パスを作製し、プラスチック色素増感太陽電池によりその有効性を実証することを目的とする。 1)電子パスの構築:チタニアナノ粒子を450℃で焼成するとチタニアナノ結晶がネッキングし電子パスを形成する。しかし150℃以下の低温ではネッキングは十分ではなく光電流も低い。ナノチタニア粒子同士のネッキングを促進させるために、新方式を提案し実証した。新方式はナノ粒子結着材としてポリシラン光酸化物を使用した。ポリシラン光酸化物はチタニアナノ結晶問を結合する役目を果たす。これによりチタニア中の電子拡散定数が向上した。この結果、150℃加熱だけの太陽電池よりもポリシラン光酸化物結着材を使った太陽電池の光短絡電流が大きく向上した。 2)イオンパスの構築:ポーラスチタニア層を450℃で作製する場合には、チタニアペースト中のポリマーが加熱時に分解し共連続なイオンパスとなる。しかし150℃程度の低温ではイオンパスを形成することはできない。今回、イオンパスを生物の血管に例えると、大動脈に当たる部分を低温で形成する方法を提案する。毛細血管に相当する部分はナノ粒子間の隙間に相当するが、これはナノ粒子を積層することにより既に作製されている。テトラポット型の酸化亜鉛微結晶をチタニアナノ粒子に混合し、膜を作成後希塩酸に浸漬することによってテトラポット型酸化亜鉛を溶かし出すことによってイオンパスの大動脈を形成した。テトラポット型酸化亜鉛微結晶は必ず膜表面からまく下部に向けてイオンパスを構築した。この結果、イオン拡散係数が向上し、光電流が増大した。
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