2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ共連続電荷拡散パスの低温構築とプラスチック色素増感太陽電池での検証
Project/Area Number |
15350112
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
早瀬 修二 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (80336099)
|
Keywords | 色素増感太陽電池 / 共連続 / イオン / 電子 / チタニア / ナノ / 低下速度EB / プラスチック |
Research Abstract |
共連続構造は広い接触界面を有し、電荷分離、電荷再結合を伴う電子デバイスに必須の構造である。低温でナノ共連続構造を有するイオン(荷電)パスと電子パスを作製し、プラスチック色素増感太陽電池、および発光素子によりその有効性を実証することを目的とする。 1)電子パスおよびイオンパスの構築:ナノ粒子を積層した電極はナノ粒子のつながりが電子パスとなり、その隙間がイオンパスとなる。電子、イオンがうまく拡散するためにはイオンパス、電子パスは拡散する方向に直線状に連なっていたほうがよい。しかしこれまではそれらのパスはランダムであった。電極に対して垂直の方向に拡散する電子パス、イオンパスを作製するために、スプレイ塗布によりノズルと基板間に電圧を印加しながらチタニアナノ粒子を噴霧したところ、太陽電池特性が向上した。色素吸着量、チタニア中の電子の拡散は変化せず、ナノポアを介したイオン拡散が向上していることから、基板に垂直なイオンパスが構築されていると結論した。電圧を印加することによりナノチタニアが帯電し基板に垂直なパーコレーション構造をとるために、その隙間であるイオンパスも基板に垂直に形成されたと考えられた。 2)上記のイオンパスと電子パスを発光素子に応用した。ナノチタニア粒子を積層した基板をカソードに、フラットな透明導電膜基板をアノードとしてその間にルテニウム色素を注入した素子に電圧を印加したところ、大きな発光が得られた。フラットな電極を用いた場合よりも発光の大きな増大があった。ナノチタニア積層膜からの電荷注入の増大と、ナノイオンパスで活性種の衝突確率が増大したために、大きな発光が得られたと考えられた。低温で作製した素子でも大きな発光が認められた。ナノパスとイオンパスの構築が大きな発光をもたらしたと考えられ、その有効性が実証された。
|