2003 Fiscal Year Annual Research Report
チオフェン系オリゴマーからなるナノ細線を用いた波長可変・低閾値固体レーザーの開発
Project/Area Number |
15350115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀田 収 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (00360743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 直人 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (50172036)
板谷 明 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (80035071)
清水 幸喜 財団法人産業創造研究所, 光マテリアル研究部, 主任研究員
柳 久雄 神戸大学, 工学部, 助手 (00220179)
谷口 彬雄 信州大学, 繊維学部, 教授 (00283242)
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Keywords | (チオフェン / フェニレン)コオリゴマー / レーザー材料 / 高配向結晶 / エピタキシャル成長 / スペクトル線幅 / 超狭線化 / 共振器 / レーザー発振 |
Research Abstract |
1 レーザー材料の開発 チオフェン環とフェニレン(ベンゼン)環からなり、(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーと称する複合オリゴマーを用いたレーザー材料の開発に関して、今年度は特に以下の点に留意して新規化合物を合成した:チオフェンとフェニレン環の合計数(重合度)およびそれらの分子内での配置をいろいろに変えて、さまざまな分子形状をもつ化合物とした。特に、非直線形状(屈曲、ジグザグ等)をもつ分子からなる結晶が特異な光学的性質を示す点に着目して、これらのコオリゴマー化合物の合成に重点を置き、レーザー材料の多様性の拡大を図った。 2 高配向結晶の作製 上記の材料に関して、自己組織化法により分子配向を高度に制御した結晶を作製した。特に、不活性気体中、昇華によって作製した平板結晶と結晶基板へのエピタキシャル成長によって作製した針結晶が高い配向性をもつことを明らかにした。共に、雰囲気温度や圧力などを最適化して数百μm〜数mmサイズの結晶を得た。 3 結晶の光学特性の評価 前項で作製した高配向結晶に関し、基礎的な光学特性を評価した。これらの結晶についてレーザー光励起による発光スペクトルを測定し、数種類の結晶に対してスペクトルの線幅が狭線化(線幅:数nm以下)することを見出した。なかでも、励起強度や露光ビームの形状などを変化させて超狭線化(線幅:0.1nm以下)した発光を実現した。この超狭線化は結晶端面を共振器とするレーザー発振または共振器なしのレーザー発振(ASEレーザー)に帰属できることが分かった。以上、開発した材料が優れたレーザー発振機能をもつことを明らかにした。
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Research Products
(6 results)