2004 Fiscal Year Annual Research Report
チオフェン系オリゴマーからなるナノ細線を用いた波長可変・低閾値固体レーザーの開発
Project/Area Number |
15350115
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀田 収 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (00360743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 直人 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (50172036)
板谷 明 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (80035071)
清水 幸喜 財団法人産業創造研究所, 光マテリアル研究部, 主任研究員
柳 久雄 神戸大学, 工学部, 助手 (00220179)
谷口 彬雄 信州大学, 繊維学部, 教授 (00283242)
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Keywords | (チオフェン / フェニレン)コオリゴマー / 固体レーザー / 高配向材料 / 斜方晶 / 直立配向 / 溶融成型 / 発光特性 / レーザー発振 |
Research Abstract |
1 レーザー材料の開発 チオフェン環とフェニレン(ベンゼン)環からなり、(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーと称する複合オリゴマーを用いたレーザー材料の開発に関して、今年度は特に分子両末端をいろいろな置換基で修飾した新規化合物を合成した。置換基としてメトキシ基、シアノ基、アルキル基等を選択した。この中で、メトキシ置換したコオリゴマーの結晶は斜方晶系に属し、メトキシ基の酸素分子を結ぶ直線を分子軸と定義すると、分子軸が結晶底面(bc・面)に対して厳密に直立するという著しい形態的特徴を見出した。 2 高配向材料の作製 高度に配向した材料を作製することは固体レーザーの低閾値化を達成するために必須である。このため、(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーに関して、(1)不活性気体中における昇華による結晶育成と、(2)加熱溶融成型による材料の配向化を試みた。この結果、いずれの手法によっても分子が高度に直立配向した結晶もしくは成型体を得ることができた。後者では、特にアルキル置換体が均質な成型体を与えることを見出した。 3 結晶のレーザー発振特性の評価 前項で作製した高配向材料に関し、レーザー光励起による発光特性を評価した。特に、上記のメトキシ置換コオリゴマーの薄片状結晶は、レーザー発振を起こす励起閾値強度が約2mJ/cm^2と他の化合物に比較して低いことが分かった。これは、分子軸が結晶底面に対して厳密に直立することと密接に関係すると考えられ、有機レーザー材料の設計および開発において極めて有力な指針を提供する。
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Research Products
(5 results)