2004 Fiscal Year Annual Research Report
非局在電子系による新規なクロモフォアの開発と会合制御に関する研究
| Project/Area Number |
15350116
|
|---|
| Research Institution | Osaka Prefecture University |
|---|
Principal Investigator |
中澄 博行 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (00109878)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 繁幸 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (40275277)
兵藤 豊 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (40360044)
|
|---|
| Keywords | 機能性色素 / スクアリリウム色素 / 近赤外吸収色素 / 蛍光プローブ / ゾル-ゲル法 / 有機-無機複合薄膜 / ポルフィリン / 分子内エネルギー移動 |
|---|
| Research Abstract |
分子認識能や色素分子間の会合性を制御した非局在化したπ電子系機能性色素の開発を目的として、スクアリリウム系色素やポルフィリン系色素を合成し、その分光特性や蛍光特性を明らかにした。また、機能性色素をドープする有機-無機薄膜の基本特性についても明らかにし、以下の成果が得られている。
1.二つの四角酸残基の間に非局在化したπ電子系としてピレン環およびモノチオフェン環部位を導入した近赤外領域で吸収を示すビスクアリリウム系色素は、タンパク質との相互作用で、蛍光増幅する有用な近赤外蛍光プローブになることを見出した。
2.二つの四角酸残基の間に導入したターチフォエン部位の中央部分から、さらにπ共役鎖を拡張した新規なクロモフォアの開発を行い、ストークスシフトが大きく、蛍光極大波長が近赤外領域にある新規なビスクアリリウム系色素を見出した。
3.N-アルキル鎖で架橋したスクアリリウム色素二量体はアルカリ土類金属の添加で分子内H会合体と2〜3分子の超分子集合体が形成されることを質量分析やNMRスペクトルから明らかにした。
4.ジアリール尿素部位で連結した種々のアントラセンーポルフィリンダイアッドを合成し、その配向と分子内エネルギー移動について検討した結果、対面型に配向制御されたアントラセン部位からポルフィリン部位への高効率な分子内エネルギー移動が生じることを見出した。
5.機能性色素をドープする有機-無機複合膜として、ゾル-ゲル法による乾式印刷版材料の基本特性を検討した。その結果、パーフルオロアルキル基を有するアルコキシシランを用いることで感光性有機-無機複合膜の表面にフッ素成分が凝集し、はっ油性、はっインク性、耐久磨耗性に優れた膜になることを見出した。
|
