Research Abstract |
本研究では,界面コロイド化学的な自己組織構造を利用してバイコンティニュアスな無機多孔体の合成を行い,その構造と物性相関の解明を通して,機能材料の創製を行うことを目的としている。昨年度の研究において,コロイド結晶テンプレートおよび両連続マイクロエマルションを利用してTiO_2,カーボン,SiO_2のメゾ・マクロ多孔体の合成に成功している。今年度は,TiO_2,SiO_2の合成についてさらに検討を加え,メゾ・マクロ多孔構造のより精密na制御が可能であることを明らかにした。 1.コロイド結晶テンプレート法によるTiO_2二元多孔体の合成 0.43および0.05ミクロンのポリスチレン(PS)ラテックス混合溶液から,二種類の粒子が規則配列したコロイド結晶を調製し,その粒子間隙にチタンイソプロポキシド溶液を含浸させ,ゲル化,焼成することにより,PS粒子サイズに相当する二種類の細孔を有するアナターゼTiO_2多孔体を得ることに成功した。 2.両連続マイクロエマルション法によるTiO_2,SiO_2のメゾ多孔体の合成 油/界面活性剤/希塩酸の3相系両連続マイクロエマルションの組成に依存して,SiO_2メゾ細孔構造を幅広く制御できることを見出した。本系では,両連続マクロエマルション中でのゾル-ゲル反応において,金属アルコキシドのゾル-ゲル反応が油/水あるいは界面活性剤/水界面で起こり,水相でのゲルネットワーク形成により細孔構造が形成されると推測された。そこで油/水の組成を変化させたところ,油相割合が高くなると細孔径ならびに細孔容積が増加することを突き止めた。一方,TiO_2合成においては,チタンアルコキシドの反応性が高くため,アルコキシドのみのゾル-ゲル反応では2〜5nmの小さなメゾ細孔しか生成しないが,アセチルアセントンを共存させて反応速度を抑制することにより,10〜20nmの大きなメゾ細孔を有する多孔体を得た。
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