2005 Fiscal Year Annual Research Report
チタンとニオブ層状酸化物のナノ層間場を利用する物質創製
Project/Area Number |
15350123
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 泰道 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80114172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 稔 熊本大学, 工学部, 教授 (90183540)
鯉沼 陸央 熊本大学, 工学部, 講師 (70284742)
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Keywords | チタン酸化物 / ニオブ酸化物 / 光電気化学 / 光触媒 / アルコール光酸化 / ナノシート |
Research Abstract |
光触媒として活性の高いニオブナノシートを中心に、ナノシート単独からなる電極を作製し、その光電気化学特性を中心に機能性を求めた。電極には、はじめにポリカチオンを表面に坦持した後、マイナス電荷を有するナノシート溶液に電極を入れることにより、静電的にモノレイヤーのチタンやニオブのナノシートを付着させた。これらの電極の光電気化学特性をメタノールなど各種アルコールを入れた溶液中でその光酸化電流を測定した。その結果、チタンナノシートよりもニオブナノシートの方が高い光電流が得られた。その値はmAオーダーであり極めて大きなアルコール光酸化電流である。このことは、ニオブナノシート中での光生成した電子とホールは非常に高い電荷分離を生じ、ホールはナノシート表面から直ちにアルコールへ移動しアルコールを光酸化分解することを意味している。一方、電子はナノシートの中心を移動し、ナノシート端が電極基板と接触しているところで電極へ移動するものと考えられる。光電流のアルコール種依存性も大きい。一般に低分子のアルコールほど光酸化分解しやすいことがわかった。このことは、親水性の高いアルコールほどナノシート基板に接触しやすく、容易にホールの攻撃を受けやすいことを意味していると思われる。ナノシートの表面に種種の金属イオンを吸着させて、同じくアルコール光酸化反応を測定した。その結果、白金を除いて、光電流は金属イオン吸着により著しく低下した。これらの金属イオンは表面での電子とホールの再結合中心として働き、光電流を低下させたものと考えられる。一方白金の場合には、再結合サイトとして働かない事も明らかとなった。白金の助触媒効果も検討している。
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Research Products
(3 results)