2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350128
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相田 卓三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00167769)
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Keywords | メソポーラスシリカ / 反応場 |
Research Abstract |
本年は、機能性置換機を有するイオン性界面活性剤を用いてメソポーラスシリカを形成するという独自の手法で、アラニンの長鎖エステルがアンモニウム塩を介して共有結合的にシリカ表面に導入された有機無機複合体の構築に成功した。本複合体の持つ内部空孔の特異性を調べるため、反応場としての検討を行ったところ、本複合体が方向族や脂肪族のアルデヒドやケトンのアセタール化を触媒することが明らかとなった。例えばベンズアルデヒドに対するエタノールの反応について、複合体のエタノール洗浄液では触媒活性が観察されなかったのに対し、濾物の懸濁液は活性を示し、複合体が触媒作用を持っていることが確かめられた。さらに、アラニン誘導体が存在しない系やシリカゲルと界面活性剤が共有結合的に連結していない系では反応は進行せず、アラニンの長鎖エステルがアンモニウム塩を介して共有結合的にシリカ表面に導入された構造が触媒活性の発現に重要であることが示唆された。また、反応の時間変化を追跡した結果、反応は誘導期を持ちながらS字上の反応曲線を示すことが分かった。一方、複合体をあらかじめエタノールに一晩懸濁させたサンプルでは、誘導期を示さず、エタノール処理によりシリカゲル表面が変化を起こし触媒作用が発現していることが推測された。触媒活性発現の詳細を明らかにするため、pH指示薬による検討を行ったところ、溶液に比べ表面は酸性度がより高くなっていることが示された。
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