2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属磁性体と半導体の原子層制御界面の磁性と光スピン機能性
Project/Area Number |
15360002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村山 明宏 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (00333906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西林 一彦 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (20361181)
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Keywords | 磁性半導体ナノ構造 / 半導体・磁性体原子層制御界面 / 半導体・磁性体ハイブリッド構造 / 光スピン機能性 |
Research Abstract |
本研究においては、CoやMnなどの金属磁性体と、ZnSe系化合物半導体、特に巨大磁気光学効果を示すZnMnSeなどの磁性半導体の原子層制御積層構造や微細複合ナノ構造を作製する。そして、両者の界面構造や界面における磁気的相互作用、あるいは微細複合ナノ構造における磁気光学機能性などを研究し、新しい光スピン機能性を持つ磁性体・半導体ハイブリッド材料の創製を目指すことを目的としている。 平成16年度は、主として、作製した各種の磁性体・半導体界面や複合ナノ構造の磁気光学特性の詳細を研究した。 1.原子層成長ZnCdSe量子井戸中に反強磁性MnSe単原子層を作り込んだ磁性ディジタルドープ構造における励起子発光の磁場依存性を調べ、原子層制御反強磁性MnSeにおける界面スピンが常磁性的に振る舞い、ZnCdSe量子井戸における励起子巨大ゼーマン効果を引き起こすことを明らかにした。様々な膜厚をもつMnSe層をドープした試料に対する測定結果より、このような常磁性的スピン層の有効膜厚は1原子層であることを明らかにした。 2.電子ビームリソグラフィーにより作製したCoとZnCdMnSe量子井戸の複合細線構造における励起子発光の磁場依存性を調べ、Coより半導体量子井戸に生じる局所的な垂直磁束により誘導される励起子巨大ゼーマン効果の発現を実験的に明らかにした。すなわち、強磁性体ナノ構造の磁束を利用して、半導体キャリアのスピン状態を制御することに成功した。 3.ZnCdMnSe磁性半導体とZnCdSe非磁性半導体の磁性二重量子井戸を用いて、電子ビームリソグラフィーにより直径20nmまでの規則配列ドット構造を作製した。このような磁性二重量子ドットにおいて、磁性ドットに光生成したスピン偏極励起子のダイナミクス、特に、非磁性ドットへのスピン注入現象を観測することに成功した。
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