2005 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザーを用いたホログラフィによる超高速現象の観察とその応用
Project/Area Number |
15360031
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保田 敏弘 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50013181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟辻 安浩 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (80293984)
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Keywords | ホログラフィ / ホログラム / フェムト秒レーザー / 超短光パレス / 光伝播 / 超高速現象 |
Research Abstract |
本研究は、フェムト秒レーザーを用いたホログラフィにより光の伝播の様子を連続画像として観察する技術を開発し、それを超高速現象の観察・計測に応用することを目的としている。本年度の研究成果は以下の通りである。 (1)観察されるパルス面形状に関する理論的解析と歪みを補正する方法の提案 基本的な光学系により作製したホログラムからの再生像として観察される光パルスの面の形状は、その原理上実際に生じているそれとは異なり、実際の光パルスの形状が歪曲された再生像として観察される。その程度は参照光の角度、観察位置などに依存する。この現象について理論的に解析した。この曲線の傾きは、参照光と物体光の光路長がホログラム面上で一致するための物体光点の軌跡として求められ、計算結果は実験結果と一致した。この計算方法を用いて、得られた光パルスの形状を補正する手法を提案した。 (2)3次元空間を伝搬する光パルスの観察 昨年度に引き続き3次元空間を伝搬する光パルスの詳しい観察と再生像の特性の解析を行った。再生像を3次元像として観察できれば現象のより詳しい情報を得ることができる。3次元空間を伝播する光パルスそのものを観察するため、ゼラチンゼリーを散乱媒体としてその空間を伝播するフェムト秒光パルスのホログラム記録に世界で初めて成功し、その動画像が得られた。注目すべきことは、得られた再生像は、連続光で記録した場合とは異なり左右が反転するという現象が観察されたことである。これは、物体から出てホログラムに到達するまでのパルス光の時間差を考慮することによって説明できる。この現象についての理論的な解析を行い、シミュレーション結果が実験結果と一致することを確かめた。 今後は観察される再生像の特性について更に詳しい解析を行うと共に、応用研究を進めてゆく。
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