2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360037
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菊池 順 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (50063665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 秀雄 放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 室長(研究職) (50166310)
寺沢 和洋 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (10329138)
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Keywords | PET / 液体Xe / Xeシンチレーション / 液体Xe-PET / 低温用光電子増倍管 / 液体Xe用光電子増倍管 |
Research Abstract |
これまでの研究から、光電子増倍管(PMT)の量子効率および利得を上げることが性能向上にとって重要な要因であることが判明している。そこで、PMTの改良を最重要課題として取り組んできた。まず、量子効率が液体Xe温度でも低下しないように改良をした。量子効率の低下の原因の一つは光電陰極の電気抵抗が低温下(-110℃)では非常に大きくなり、これにより電荷の収集に影響を与えることであることを突き止めた。これを防ぐために、これまでは光電陰極に導電性の薄膜をコートする方法などが取られていたが、この方法では逆に光の透過性が損なわれて、量子効率が期待通りには改善されなかった。今回は、導電性のメッシュをコートすることによって光の透過性を損なうことなく、電気抵抗の劣化を防ぐことに成功した。これと同時に低温下でも十分に量子効率の高い材料を見つけることにも努力が払われた。何回かの試作と性能検査を繰り返して、常温では、これまでの3.3倍程度、低温下では4-5倍程度の量子効率をもつPMTの開発に成功した。現在は、改良された方法で製作されたPMTの特性について、浜松ホトニクスでの検査を終えて、研究室において常温での性能測定、液体Xe中での性能測定を行っているところである。一方PMTを取り付ける支持台についても、これまでの経験から取り付け部品によるデッドスペースをより少なくすることが性能向上につながることが判明しているので、この点を改良するための方策を検討中である。また性能向上のために、分割型の光電陰極PMTを用いた場合の位置分解能・エネルギー分解能などについてシミュレーションを行った。その結果、現在の量子効率では、光電陰極の分割によるメリットは少ないが、量子効率が上がれば、それに応じてメリットが出てくる事も判明した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] F.Nishikido, T.Doke, J.Kikuchi, T.Mori, K.Takizawa, M.Yamamoto: "Performance of a prototype of liquid xenon scintillation detector system for positron emission tomography"Japanese Journal of Applied Physics. Vol.43, No.2. 779-784 (2004)