2005 Fiscal Year Annual Research Report
複合化超非平衡プロセスによる225nm紫外・室温発光性BNの開発
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15360039
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
小松 正二郎 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主席研究員 (70343845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 勝行 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主幹研究員 (10354432)
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Keywords | 窒化ホウ素 / 紫外発光 / プラズマ / レーザー |
Research Abstract |
(1)プラズマ支援レーザーCVDプロセスによる薄膜成長の中に193nmエキシマレーザーによって励起された300nm付近のブロードなバンドの紫外発光(photolumenescence光、以下PLと略記)があることが発見された。このPL発光は薄膜成長のごく初期(数秒)から観測可能であることも分かった。これを利用して、成長過程(測度)のin-situ観測が可能になり、今まで不明だった、成長初期の成長速度の変化が分かってきた。又、重量変化による成長速度の測定結果と、このPL光利用測定の結果の傾向が一致していた。 (2)上記結果と関連して、成長各過程におけるモルフォロジーの変化を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。この結果とPL光の時間変化を比較し、初期核の段階で、既にPL発光するsp3-結合性5H-BNの結晶構造になっていることが分かった。 (3)プラズマ支援アブレーション法による粉体試料の場合、アブレーション後のBNターゲットをSEM観察した結果、ターゲット上に数十ミクロンメーターのコーン状のモルフォロジーが形成されていることが分かった。このコーンのターゲットから剥離したものを透過型電子顕微鏡(TEM)観察した結果、コーン先端部が結晶性が極めて高いsp^3-結合性BNにであることが見出された。これは、紫外発光性BNのプラズマ支援アブレーション法による生成過程に関して、重要な示唆を含む結果で、今後、さらに追求してゆく。 (4)紫外発光性BNコーンは、条件によって、フラクタル的に分布する。観測されたその温度依存性(遷移温度)、線描的分布、スケール不変自己相似性(フラクタル性)の三者を説明できる光化学反応-拡散モデルを立て、解くことに成功した。これにより、BN紫外発光性ナノコーンの分布が、初期境界条件の制御というマクロスケールの入力によって、ミクロ・ナノ領域における分布の制御という出力が可能になることが理論的に予測され、新しい紫外発光デバイス作製への指針が得られた。
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Research Products
(6 results)