2003 Fiscal Year Annual Research Report
超高温用TBC被膜の密着機溝・強度の支配因子解明と熱疲労寿命延伸・設計への展開
Project/Area Number |
15360046
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
岡崎 正和 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00134974)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 和洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50312616)
今谷 勝次 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (70191898)
北村 隆行 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20169882)
山崎 泰広 新潟工科大学, 工学部, 助教授 (70291755)
|
Keywords | 遮熱コーティング(TBC) / 密着機構・強度 / 熱サイクルと熱応力 / 皮膜物性測定 / プロセス依存症 / ガスタービン / Ni基超合金 / 溶射スプラット |
Research Abstract |
電力需要の増加とそれに伴う地球環境の問題などから,高効率で起動性に優れた発電用ガスタービンが注目されている.それらの主要部材である第1段動静翼等は,クリープ,疲労,熱疲労などの力学的損傷を受けると同時に,高温燃焼ガスによる腐食,酸化などのアタックも受ける.これら全ての条件に耐え得る材料は希有であり,金属基材表面に遮熱・耐環境機能を持たせたコーティング技術が不可欠となっている.これらのコーティング,とりわけ遮熱コーティング(TBC)は高温部材の耐環境機能を確実に増加させるが,その反面,被膜の割れ,はく離が基本的問題としてつきまとい,それが部材,さらには機器全体の寿命を支配する重要な因子となっている。このような背景から,本研究では、以下の項目の研究を遂行し、公表した。 (1)TBC皮膜として実績の高いYSZトップコート単体の平板状試験片を準備し,被膜自身の機械的性質と時効による変化を調査した。具体的には、振動リード法によるトップコートのヤング率の測定.その温度依存性、トップコート単体の引張強度とその高温等温暴露による影響を調査し、データベースとして公表した。 (2)(1)の特性に及ぼす溶射粒子径、飛翔粒子速度、基材予熱温度など。プロセスパラメータの影響についても調査し、データベースとして公表した。 (3)JIS H8666に準拠して室温においてTBC被膜密着強度試験を行い、その手法の妥当性と問題点を指摘した。 (4)TBC試験片に対し,900℃,あるいは,1100℃において長時間等温熱暴露を施し,密着強度に及ぼす長時間時効の影響も調査した.あわせて、密着強度が長時間事項によって変化する機構とモデルの提示も行った。 (5)TBC被膜の密着強度には、スプラット境界の微小き裂、被膜焼結進行による物性値の変化、被膜の内部割れとそれによる応力緩和、界面に形成される酸化物など、種々の因子が係わっている。 また、本研究委員が中心となり、下記オーガナイズドセッションを実行し、日本全体における関連分野の情報交換と意見交換を行った。 a.日本材料学会2003年学術講演会:地球環境と高温強度 b.日本機械学会M&M2003:コーティングプロセスとそのキャラクタリゼーション c.日本機械学会2003年次大会:耐環境コーティング材の強度と評価
|
Research Products
(16 results)
-
[Publications] 岡崎 正和: "超合金耐環境コーテイングの高温強度・寿命予測・課題"溶射. 40. 131-140 (2003)
-
[Publications] M.Okazaki: "The Potential for The Improvement of High Performance Thermal Barrier Coatins"Mater.Research Soc.Int.. 55. 3-10 (2003)
-
[Publications] 阪口基己, 岡崎正和: "単結晶Ni基超合金における損傷誘起変質域形成"学振耐熱材料第123委員会報告. 44. 149-159 (2003)
-
[Publications] M.Okazaki, I.Ohtera, Y.Harada: "Undesirable Effect of Local Cellular Transformation in Microstructurally-Controlled Ni-base Superalloys Subjected to Previous Damage on High Temperature Fatigue Strength and the Prevention"Mater.Research Soc.Int.. 9. 55-62 (2003)
-
[Publications] M.Okazaki: "PREVENTION OF FATIGUE LIFE REDUCTION RELATING TO CELLULAR MICROST RUCTURE IN SINGLE CRYSTAL NI-BASE SUPERAALOY, CMSX-4, SUBJECTED TO PREVIOUS LOCAL DAMAGE"Advanced Materials and Processes for Gas Turbines., TMS. 63-72 (2003)
-
[Publications] 阪口基己, 岡崎正和: "単結晶Ni基超合金の高温疲労強度に及ぼすγ/γ'組織因子の影響に関するマイクロメカニクス的解明"学振耐熱材料第123委員会報告. 45. 73-82 (2004)
-
[Publications] 白井聡, 岡崎正和: "繰返し負荷を曼ける耐環境コーティング界面き裂に働く接触応力に関する一考察"日本機械学会全国大会講演会講演論文集. 233-234 (2003)
-
[Publications] 岡崎正和: "耐環境コーティング材における非開口型界面疲労き裂進展とき裂面間接触"日本機械学会M&M2003講演論文集. 465-466 (2003)
-
[Publications] 山崎泰広, 岡崎正和: "長時間時効に伴うTBC皮膜の機械的性質の変化"日本機械学会M&M2003講演論文集. 219-220 (2003)
-
[Publications] 山崎泰広, 岡崎正和: "長時間時効に伴うTBC皮膜の力学特性変化と皮膜密着強度"日本材料学会第41回高温強度シンポジウム講演論文集. 157-161 (2003)
-
[Publications] 岡崎正和: "結晶制御Ni基超合金の損傷の補修と材料学的課題"日本材料学会第51期学術講演会論文集. 19-26 (2003)
-
[Publications] 阪口基己, 岡崎正和: "単結晶Nl基超合金中のセル状変質域の組織解析による稼働応力推定"日本材料学会高温強度シンポジウム講演論文集. 79-84 (2003)
-
[Publications] 小川和洋, 奥平彰, 庄司哲雄: "熱サイクル条件下におけるYSZ/MCrAIYの界面強度"日本機械学会 M&M 2003講演論文集. 223-224 (2003)
-
[Publications] 小川和洋, 河口展明, 庄司哲雄: "酸素分圧制御によるTGOの抑制"日本機械学会 M&M 2003講演論文集. 225-226 (2003)
-
[Publications] 荒井正行: "圧電セラミックスを利用した高温小型疲労試験機の開発"日本機械学会 M&M 2003講演論文集. 443-444 (2003)
-
[Publications] 荒井正行: "音頭変動を受ける遮熱コーティング部材のたわみについて"日本機械学会 M&M 2003講演論文集. 453-454 (2003)