2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 孝司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80204030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉井 康彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90345108)
斑目 春樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80092336)
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Keywords | マイクロPIV / マイクロLIF / マイクロマシン / マイクロTAS / 速度場計測 / pH分布計測 |
Research Abstract |
化学分析法やその他の化学プロセスを小さな基盤(マイクロチップ)上に集積化する研究(μTAS, Lab-on-chip)などが多く行われている.より効率的なデバイスの開発のため,混合・反応・加熱・冷却・抽出・相合流・相分離などの基本的な操作のマイクロスケールでの振る舞いを知る必要がある.本研究では,デバイスの開発・設計にとって重要なマイクロチャンネルにおける流場を調べるため,マイクロスケールの空間解像度を持った速度場を得ることができるマイクロPIVシステムの改良を行った.レーザと高速度カメラを用いてマイクロ流動の過渡変動を捉えることが可能となった.本手法を幅100μm,深さ30μmのマイクロチャンネルのY字の合流部における水-油流に適用して,界面近傍の過渡変動を調べた.得られた結果から,従来十分小さいために無視できると考えられていた表面張力勾配の影響が,非常に大きいことが判明した. さらに,レーザ誘起蛍光法を用いて,pH場の計測を行うために,光学顕微鏡とYAGレーザや水銀ランプと蛍光染料の特性に合わせた光学フィルタを用いて,マイクロスケールの解像度でpH分布を計測できるマイクロLIF法を開発した.特に,pHによって輝度が変化する染料を選定し,計測精度の検証を行い,従来の手法より高精度かつ高分解能で計測できることを確認した.さらに,本手法をマイクロチャンネルのY字の合流部における化学反応流に適用して,化学反応を伴う流場の解析を行った.特に,強酸-強塩基による中和反応流に適用して,マクロスケールより非常に迅速な混合が確認できた. 以上により,化学反応を伴う熱流動場の過渡現象を捉えることが可能なシステムの構築が行えた.
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[Publications] Shinohara K: "Measurement of pH field of chemically reacting flow in microfluidic device by laser induced fluorescence"Measurement Science and Technology. (印刷中). (2004)
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[Publications] Sugii Y: "Quantitative Visualization of Micro-Tube Flow Using Micro-PIV"Journal of Visualization. 7・1. 9-16 (2004)