2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 孝司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80204030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斑目 春樹 東京大学, 原子力研究総合センター, 教授 (80092336)
杉井 康彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90345108)
南山 求 広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (00142191)
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Keywords | マイクロPIV / 高速度マイクロPIV / 対向流界面 / 非線形拡散 / 過渡流動 / マイクロLIF / マイクロダイナミクス |
Research Abstract |
化学分析法やその他の化学プロセスを小さな基盤(マイクロチップ)上に集積化する研究(μTAS, Lab-on-chip)などにとって重要なマイクロチャンネルにおける流場を調べるため,マイクロスケールの空間解像度を持った速度場を得ることができるマイクロPIVシステムの改良を行った. 従来のマイクロPIVシステムでは時間方向の制御に、パルスレーザを用いている。これにより短い時間間隔の画像を取得し、速度情報を得ている。本研究では、カメラとして高速ビデオカメラを用い、かつ、画像強調装置を併用して画像を連続的に取得するシステムを構築した。照明としては、連続発振レーザを用い、1024x1024画素の解像度で毎秒2000枚撮影できるカメラを用いた。本システムを用いて、対向流型のマイクロチャンネル内流動を計測した。チャンネル幅は100μmで、奥行きは15μmのチャンネルに水と油を対向させて流動させる。その結果、チャンネル中央部に水油の界面が生成される。この界面近傍の流動を、上記開発した高速度マイクロPIVシステムで計測した。時間方向に0.5msの解像度で、速度変動を取得することができ、界面近傍において、過渡的な変動や、渦構造を明らかにすることができた。これらの微小な渦や変動が水油界面における物質輸送に大きな影響を与えていることを明らかにした。 昨年度実施した、界面近傍のpH分布の非線形性の発見とあわせ、初期目的であった、微小流体機械におけるマイクロダイナミクスを明らかにすることができた。特に、本研究で開発した、マイクロLIFシステム、及び高速度マイクロPIVシステムは、いずれも世界初のシステムであり、今後のマイクロ流動分野の発展に大きく寄与すると考えられる。さらに、本研究で解明した、界面近傍の非線形拡散現象や、界面近傍における極微小渦や過渡流動現象は、新しい知見であり、微小流体機械の発展に大きく寄与している。
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