2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロジェットによる低レイノルズ数流れの制御技術の開発
Project/Area Number |
15360102
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
本阿弥 眞治 東京理科大学, 工学部, 教授 (30089312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上運天 昭司 株式会社山武, マイクロデバイスセンタ, 主任研究員
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Keywords | マイクロ三次元流れ / マイクロセンシング風洞 / マイクロステレオ画像処理流速計 / マイクロデバイス / マイクロセンサ / パルスマイクロジェット |
Research Abstract |
近年、MEMS (Micro Electro-Mechanical System)に代表される各種マイクロデバイスに関心が集まり、マイクロセンサならびにマイクロアクチエータで構成されるMEMSは、現在、医療、バイオを中心とした分野で製品化され、実用化の段階に入った。しかし、熱流体工学に関係した分野では、試作品の検討など、実用化に至る例が少ない。マイクロ流体工学においてMEMSが実用化に至らない理由として、流動機構の解明に不可欠な流れの観察や計測技術の不足が挙げられる。MEMSデバイス周りの流れは,バッチ処理による製造技術の制約を受け、流体工学上、必ずしも、好ましい配置とならず、例えば、配線や基盤構造など、三次元構造を有し、複雑な形状、配置の影響を受けるにもかかわらず,流動機構の解明が必ずしも十分になされず、試作品が製造されることが多い。そこで、アクチュエータに対しては、高い周波数応答性、センサに対しては、高精度化や高分解能化を実現するためには、デバイス周りの流れの理解とデバイス性能を総合的に評価するシステムが不可欠である。以上述べた背景のもとに、平成16年度の研究において、マイクロデバイス周りの流れを計測するシステムの構築を計画し、非侵襲性センシング技術の一つであるマイクロ画像処理流速計(PIV)をベースにしたマイクロセンシング風洞システムの高精度化に努め、特に、マイクロステレオPIVシステムによる三次元流れ場の計測システムを完成させた。一定回転速度の傾斜円盤を用いた校正試験により、PIVシステムの計測精度を確認し、レーザシート光の面内のみならず面外速度成分の計測に成功した。MEMS基盤を想定した1.7mm角のマイクロデバイス周りの三次元流れ計測にPIVシステムを適用し、デバイス近寄り流れと後流における速度ベクトルを測定した。これらの結果は次年度以降の三次元マイクロジェットの実験に大きな成果が期待される。併せて、高速度ビデオカメラ(平成16年度購入した設備備品)を用いて、パルスマイクロジェットの動的挙動を観察し、次年度以降の三次元計測の基礎データを得た。更に、パルスマイクロジェットに関する層流非定常三次元数値計算により、低レイノルズ数流れの制御を視野に入れた吹出しジェットの速度比、周波数に関する最適化を行い、次年度以降の研究計画における実験条件に関し貴重な指針を得たほか、マイクロジェットアクチュエータの設計仕様の基本方針を固めることができた。
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Research Products
(5 results)