2004 Fiscal Year Annual Research Report
低温酸化反応機構解明からの圧縮着火制御へのアプローチ
Project/Area Number |
15360106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
手崎 衆 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50236965)
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Keywords | 低温酸化反応 / 圧縮着火 / 内燃機関 / DME / アルデヒド / 周波数変調分光 / 反応機構 |
Research Abstract |
1.ジメチルエーテル(DME)の改質による予混合圧縮着火(HCCI)の着火時期制御を検討した.単一燃料のシステムとして燃料の一部を改質しながら着火時期制御を行う手法において,改質条件とその効果についてそれぞれ反応計算により検討し,改質の予備実験も行った.燃料DMEを900Kで40秒程度高温下に置くことにより,10%程度のホルムアルデヒドの転換が起こる.これはHCCI機関の着火時期制御に十分と考えられる量である.流通反応管での改質実験では,希釈燃料で上記条件に達していないが,反応計算予測に従い改質が進むことは確認された. 2.直鎖飽和炭化水素燃料における自着火過程の機構検討を行った.ノルマルデカンを対象燃料として,HCCI機関における指圧解析および,冷炎のみ発生する条件における排気分析を行い,反応計算との比較検討を行った.デカンの計算のため,LLNLのn-heptane詳細反応機構を簡略化しさらに炭素数8から10までの直鎖飽和炭化水素の反応を加えることにより,2446個の素反応からなるn-decane詳細反応機構を構築した.冷炎のみ発生する条件における排気成分分析の結果,炭素数の少ないアルデヒドほど生成割合が高いこと,またアルデヒドの生成割合は当量比に依存せずほぼ一定であることが確認された.着火時期を決定する重要な反応であり,上記差異の原因として考えられる,アルデヒドとOHの反応の速度定数の影響について,DMEとは相反して,反応速度の増加と共に着火時期が促進することが見出された.この理由は,nデカンでは冷炎においてほとんどの燃料が消費され,反応速度上昇による燃料消費減少は限定的であり,一方で中間生成物の酸化が促進され発熱量が増加するためである.
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Research Products
(4 results)