2003 Fiscal Year Annual Research Report
超微細多孔質表面からの水蒸発を利用した高性能ハイブリッド軸受の開発
Project/Area Number |
15360108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 英生 京都大学, 工学研究科, 教授 (50166964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 元浩 京都大学, 工学研究科, 助手 (90314236)
岩井 裕 京都大学, 工学研究科, 講師 (00314229)
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Keywords | ハイブリッド軸受 / 水蒸発 / 多孔性体 / マイクロガスタービン |
Research Abstract |
マイクロガスタービンでは高回転、高温かつ頻繁な起動停止がある運転条件から、軸受には、抵抗が小さく、高温下でも安定な気体軸受を用いることが望ましい。しかしながら、気体軸受では高速作動条件下での不安定性、起動・停止時の摩擦、軸の過熱が問題になる。そこで申請者らは上記の問題を解決しマイクロガスタービンに適した軸受として、超微細多孔質表面からの水蒸発を伴うハイブリッド気体軸受を提案した。これは、回転軸、超微細多孔質(平均孔径1μm程度)の軸受面、その軸受面を内面とする多孔質パイプに水を供給する給水部から構成され、軸受表面で水が蒸発し、軸受隙間に満たされた水蒸気を潤滑流体として用いる動圧気体軸受である。多孔質パイプは水を満たした給水部の中に置かれ、毛細管現象により多孔質を通じ軸受面に水が輸送される。マイクロガスタービンの軸はタービンからの熱伝により高温になっているので、これを熱源として軸受面である多孔質表面において水が蒸発し、潤滑流体としての水蒸気により軸受隙間が満たされる。本年度は、前年度までに行った予備研究に基づき、数値解析と実験を並行して行った。 まず、ハイブリッド気体軸受隙間内の潤滑流体は、起動時の水、遷移時の水と水蒸気、通常運転時の水蒸気の3つの場合があるので、起動から定常運転に至るまでの間の軸の挙動を、潤滑流体が相変化する系で考え数値計算を行い、相変化がある場合の安定した起動特性を確認した。 一方、実験ではエアタービンにより回転する軸における起動時の特性に関する測定を行った。軸受はSUS316短繊維焼結金属の多孔質を用いた。寸法は、軸直径16.5mm、軸受幅16.5mmであり、平均空孔径が約1μm、空隙率が48%、軸受隙間は20μm以下である。今回の実験によって、ハイブリッド気体軸受の水潤滑による安定した起動を行うことができることが確認できた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 吉田英生, 他: "超微細多孔質表面からの水蒸発を伴うハイブリッド気体軸受"第40回日本電熱シンポジウム講演論文集. 1. 171-172 (2003)
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[Publications] Hideo YOSHIDA, et al.: "Hybrid Gas Bearing with Water Evaporation from Ultra-Fine Porous Medium"Proceedings of the International Conference on Power engineering-03(ICOPE-03). 3. 79-84 (2003)