2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360112
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菊地 義弘 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60111928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 幸彦 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80251370)
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Keywords | ケミカル調湿 / 水和塩 / スラリー / 吸水特性 / 繰り返し反応特性 / 空調 |
Research Abstract |
昨年度までの研究成果として、ケミカル調湿システムに水和塩を用いることが適切であり、また室外機と室内機の間での輸送のためにスラリー化を行うことが望ましいことが確認されている。今年度は、この結果に基づいて実際の速度論的な解析と繰り返し反応特性の確認を行った。速度論的な解析には炭酸ナトリウム1水塩をn-ペンタノールに懸濁させたスラリーを調整し、これに水分を添加してその吸収速度を確認、反応速度を1次反応速度式で評価した。反応条件の設定にあたっては、UNIQUAC式を用いた平衡蒸気圧の推算を行い、液層が相分離せず、平衡蒸気圧が水和塩の蒸気圧よりも高い条件を選んだ。また、吸水特性を明確にするために、水和塩を用いなブランクの実験結果と比較した。その結果、時間オーダーの反応時定数が得られ、十分に実用化に供せられるシステムが実現できる可能性を確認した。繰り返し反応特性にはポリエチレングリコールを溶媒としたスラリーを用いて、乾燥空気による脱水と水分添加による吸水を繰り返した。この場合には、予備実験として実際に水とポリエチレングリコールの混合物を用意し、湿度計で平衡蒸気圧を測定し、水和塩が吸水する条件を確認した。5回の繰り返し反応によっても反応特性の劣化は認められず、また、繰り返しが進行するほど吸湿速度が向上することが確認された。今後、実際のシステムとしての特性を確認するために、懸濁気泡塔の形で比較的湿度が高い条件での吸湿性能を確認していく。
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