2005 Fiscal Year Annual Research Report
高圧乱流燃焼場での分子選択拡散に起因する火炎面不安定性発生機構の解明
Project/Area Number |
15360113
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
城戸 裕之 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50037959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 真也 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20315112)
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Keywords | 予混合乱流燃焼 / 局所燃焼速度 / 火炎形状 / 選択拡散効果 / 高圧燃焼 / レーザトモグラフ法 |
Research Abstract |
局所燃焼速度特性に与える希釈ガスの影響を検討するため、当量比φ0.5で層流燃焼速度S_<L0>を25cm/に揃えた水素人工空気混合気において希釈ガスを窒素と同等の拡散特性を有するアルゴン、拡散速度の速いヘリウム、および拡散速度の遅い二酸化炭素と変化させ換算局所火炎伝変位速度S_Fやマークスタイン数Ma等をレーザトモグラフ法を用いて定量的に検討した。その結果、ヘリウム添加混合気では、他に希釈ガスに比べ、S_Fは著しく低い値を、Maは大きな値を示した。また火炎面の不安定性に与える影響としては、拡散速度の速い二酸化炭素などの希釈ガスを用いると、乱流火炎は凹凸が微細化し、不安定性を増大させる傾向にあることが明らかになった。 層流火炎を対象とした燃焼速度の火炎伸長や曲率への感度を表すMaを、乱流火炎へ適用しその影響を定量的に検討した。その結果、Maは局所燃焼速度や乱流燃焼速度特性と定性的には相関関係が観察できるものの、定量的には少なくともルイス数が1.0未満であるような物質拡散が支配的な予混合乱流火炎では、無視できることを明らかにした。 さらに、局所燃焼速度特性に与える初期圧力P_0の影響を検討するため、常温常圧下でS_<L0>を25cm/sに揃えたφ0.5,0.8および1.2の水素混合気に対してP_0を0.1に加え0.05と0.2MPaとし、局所火炎伝ぱ特性の観測をシュリーレン法およびレーザトモグラフ法により実施した。その結果、火炎面形状の観測から、φによらずP_0の増大にともない火炎面の凹凸が微細化する傾向が観察され、この傾向はP_0が0.2MPaになるとまた希薄なほど顕著であった。またP_0の増加とともに、層流場での換算局所火炎伝変位速度S_Fは減少する傾向が観察された。一方、乱流火炎のS_Fは、層流場でのS_Fを基準にした場合、φ0.8の場合を除きP_0の増加にともない減少する傾向にあった。またさらに、MaはP_0の増大にともない低下する傾向を示した。以上の結果から、初期圧力にともなう乱流燃焼速度の増加は局所燃焼速度の増加に伴うものでなく、火炎表面積の増加に起因することが推察される。
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Research Products
(6 results)