2004 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノファイバーの熱伝導率および電気伝導度の測定
Project/Area Number |
15360114
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤井 丕夫 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (90038589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 興 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教授 (40236823)
持田 勲 九州大学, 先導物質化学研究所, 特任教授 (20037758)
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Keywords | カーボンナノファイバー / カーボンナノチューブ / 熱伝導率測定 / ファイバーの微細構造 / 電気伝導度 |
Research Abstract |
本研究は,直径数十nm程度,長さ数μmのカーボンナノファイバーやナノチューブを対象として,その熱伝導率と電気伝導度を測定し,これらの物性値と組織構造や製造プロセスの関係を明らかにすることを目的としている. 研究計画の最終年度となる本年度は以下の課題を設定して研究を進めた. ・カーボンナノチューブの測定が可能となる微細ナノプローブの設計と製作. ・ナノプローブに試料となるナノファイバーを取り付ける手法の開発と確立. ・カーボンナノファイバー単繊維の熱伝導率および電気伝導率の温度依存性を求める. 本年度に得られた主な成果を列挙する. 1.測定プローブの微細化を達成した.ナノスケールの寸法をもつ試料の熱伝導率を測定するために,白金の加熱細線の直径や長さの最適値を求めた.その結果に基づき,幅100nm,厚さ40nm,長さ6μmの加熱細線部をもつプローブの製作に成功した.このプローブは直径数十nmのカーボンナノチューブの熱伝導率測定に適用できることが確かめられた. 2.産総研の協力を得て,マニピュレーション走査型電子顕微鏡下で電子線を照射することにより,上述のナノプローブに試料のカーボンナノチューブをT字型に装着することに成功した. 3)熱伝導率測定の前提となる,白金ナノプローブの熱伝導率および電気伝導率を高精度に測定した.これらの値はバルク白金の値の半分程度となることを見出した. 4)前年度購入のクライオスタットを用い,100Kから320Kまでの温度範囲で,異なる直径を持つカーボンナノチューブ単繊維の熱伝導率測定を行った.温度300K付近でナノチューブの熱伝導率が2000W/mK程度の最大値を持っことが明らかになった. 5)カーボンナノファイバーやナノチューブ単繊維の熱伝導率測定における誤差の評価を行い,本測定法の適用範囲を明確にするとともに測定値に関する新しい知見を公表した.
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