2004 Fiscal Year Annual Research Report
摩耗を伴う接触回転系のパターン形成現象とその防止対策に関する研究
Project/Area Number |
15360123
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
末岡 淳男 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80038083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 孝広 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80136522)
松崎 健一郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80264068)
井上 卓見 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40274485)
劉 孝宏 大分大学, 工学部, 助教授 (60230877)
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Keywords | Self-Excited Vibration / Stability / Modal Analysis / Pattern Formation / Polygonal Wear / Dynamic Absorber / Hot Leveler / Quenching of Pattern Formation |
Research Abstract |
製鉄機械ホットレベラのワークロールに発生する多角形摩耗現象の防止策として動吸振器によって完全に防止するための最適設計法を提案した.結果は以下のようにまとめられる. (1)多角形摩耗を起こさないための初期設計の指針を定めるため,モード解析を用いて多角形摩耗に関与する3つの要素,すなわち,摩耗のしやすさを表すパラメータα_l,構造剛性に関するパラメータβ_lおよび減衰に関するパラメータζ_lを導出し,それらの多角形摩耗への影響を調べた.ロールの多角形摩耗現象を防止するためには,α_l,β_lを小さく,ζ_lを大きくするように初期設計を行う必要がある. (2)減衰のない1自由度系の摩耗によるパターン形成現象モデルに動吸振器を取り付けた系に対する特性方程式の根の近似解を導き,特性根の実部σと摩耗のしやすさを表すα,接触剛性の強さを表すβおよび系の周波数応答の実部Re{G(jq)}の間の関係を明らかにした.その結果,系を安定化するためには,Re{G(jq)}の最大値をできるだけ小さくすることが要求された.この要求に対して,1自由度強制振動系を制振するための動吸振器の最適設計法(最適同調,最適減衰)の概念を適用して系が完全に安定化するための動吸振器の設計条件を導き,設計者自身によって容易に多角形摩耗現象の対策がとれる形にまとめることができた. (3)モード解析を介して上記(2)の結果を2自由度ホットレベラ系のワークロールに発生する多角形摩耗現象の完全な防止策に適用し,ロールと厚板との間の接触剛性が比較的低い場合には,2つの動吸振器ですべての多角形摩耗を完全に防止できることを示した.ホットレベラ系の接触剛性はかなり低いので,この対策がきわめて有効である. (4)自励振動であるロールの多角形摩耗現象の防止のためには,動吸振器の最適同調の条件は強制振動のときとは異なるが,最適減衰の条件は強制振動のときと全く同じとなる.多角形摩耗防止のためには,強制振動の最適制振条件と同じ減衰を動吸振器に持たせなければならないことが判明した.したがって,多角形摩耗防止のための動吸振器の減衰比はかなり大きなものとなる.
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Research Products
(2 results)