2003 Fiscal Year Annual Research Report
クラスター制御を基調とするスマート構造物の静粛化に関する研究
Project/Area Number |
15360124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 信雄 東京都立科学技術大学, 工学部, 教授 (70305423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西郷 宗玄 産業総合技術研究所スマートストラクチャ, 研究センターチーム長 (80357053)
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Keywords | 振動制御 / クラスタ制御 / スマート構造物 / 分布定数系構造物 / 振動放射音 / 静粛性 / スマートセンサ / スマートアクチュエータ |
Research Abstract |
本年度得られた研究成果を以下に記す。 (イ)任意の境界条件を有する分布定数系はり構造物を対象として、当該構造物が調和加振を受けた際に放射する音響パワーを導出することから始め、ついで、振動モード空間から音響パワー空間へ座標変換することにより、音響パワー空間をスパンする主軸、すなわちパワーモードを導出した。 (ロ)種々の境界条件に対するはり構造物パワーモードを明らかにすると共に、振動モードとパワーモードとの相関を解明した。 (ハ)はり構造物を対象とするスマートセンシング並びにスマートアクチュエーション法を明らかにする。その際に、センシングおよびアクチュエーション間に相反性が成立することを確証した。 (ニ)振動場と音場を有機的にリンクする因子、すなわち「パワーモード」を抑制することによって達成される音響パワー抑制効果と、在来手法である振動モード抑制によって得られる音響パワー抑制効果との相違を明らかにした。具体的には、在来より振動制御分野で進められている手法、すなわち<1>構造物に設置された集中センサー点での振動制御法<2>構造物の運動エネルギーを最小とする制御法と、パワーモード抑制に伴う音響パワーの抑制効果を比較検討し、パワーモード制御法の秀逸性を明らかにした。 (ホ)任意の境界条件を有する平板構造物を対象として、その一般化パワーモードの導出法を検討した。はり構造物とは異なり、平板構造物の場合は特殊な境界条件以外の解析解は得られていないので、数値解析の立場からパワーモードを導出することになる。一般構造物を対象とする一連の固有関数、並びにモードパラメータを基に、固有ベクトル群を変換マトリクスとして、音響パワー空間におけるパワーモード座標系を算出する手法の開発に着手した。 (ヘ)初年度購入予定のインテンシティ解析装置を使用して、対象構造物より放射される音響パワー、インテンシティ姿態を計測し、一般パワーモード解明のための手掛かりを得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田中, 二宮: "ABC法による柔軟張の無振動状態生成について"日本機械学会論文集. 69巻680号. 850-857 (2003)
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[Publications] 西郷, 田中, 南: "仮想伝搬系を用いた波動吸収制御によるねじり振動制御"日本機械学会論文集. 69巻680号. 866-873 (2003)
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[Publications] 菊島, 田中: "モードセンサを用いた骨組構造物の振動制御に関する研究"日本機械学会論文集. 69巻6807号. 2999-3006 (2003)
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[Publications] 福田, 田中: "矩形平板の振動放射音を対象としたclustered active noise control"日本機械学会論文集. 69巻684号. 2041-2048 (2003)
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[Publications] 岩本, 田中: "ポイントセンサ群による波動フィルタを用いた柔軟はりのフィードフォワード制御"日本機械学会論文集. 69巻685号. 2233-2239 (2003)
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[Publications] 坂野, 田中: "Active Progressive Wave Control of a Simply Supported Plate"JSME International Journal. Vol.46, No.3. 867-872 (2003)