2004 Fiscal Year Annual Research Report
登降・ガタ路適合広域歩行支援装置の受動・能動システムの研究
Project/Area Number |
15360125
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡村 宏 Shibaura Institute of Technology, システム工学部, 教授 (50327756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 修 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (20348907)
川上 幸男 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (30234032)
石濱 正男 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (20298277)
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Keywords | 歩行器・歩行支援機 / ユニバーサルデザイン / 福祉機器 / 機能性流体 / 受動型制御 / 能動的制卸 / 制御の信頼性 / 段差乗越し |
Research Abstract |
(1)前年度設定した開発目標は、現状の標準的な都会生活環境を想定し歩行を可能とする歩行支援機の開発であった.しかし,歩行に関し工学的機能を追いかけると足場の悪いリスクの高い方へ被支援者を連込むことになる.工学面の支援機能と医学面の歩行能力と地域・環境面のバリアレベルとのバランスを考慮したユニバーサルデザイン(UDと称す)手法の導入を行う.来年度以降に多面的な調査・検討からの評価法を導入する予定である. (2)既存の歩行器ベースに各種センサーを装着し,また被支援者の挙動を調査した。左右足の運びのサイクルには規則性があり,踵接地時に前進力と下方への支持力とが最大となり爪先離地時に最小となる.そのサイクルに違和感のないようにプレ制御を行い制御量の最小化を目指すこととした.移動速度はパターン化され、そのパターンの個人差は学習機能で修正し、平均速度は前方と下方へのハンドル荷重の合成ベクトル方向により設定することとする. (3)インホイール型の動力電動モーターとER流体要素を装備した車輪の研究開発は,電動モーターに既存の流用できるものがなく,別置きベルト駆動方式であるがその組合わせの検討を行った.ERディバイスをクラッチ代わりに利用し駆動・制動の制御を行う方式の基礎的な試作評価を行った。更にサーボモーターやERブレーキ機能などを組合せた方式の検討に入っている.これらの検討から,高度の信頼性,安全性と低コストをも含めた総合評価を今後行う予定である. (4)ハンドルへの被支援者からの入力のうち,前進力と下方支持力の合成ベクトルの方向角度およびハンドル水平回転トルクまたは回転角を検知する方式を採用している.現在は歪ゲージ方式のセンサーを利用しているが,より信頼性・耐久性の高い微少変位の測定法への変更を検討中である. (5)現試作機で想定していた基本的な機能はほぼ達成できた.これからはより変化のある路面状況や我々が想定した歩行能力の上下限付近での検討に入る予定である。 (6)歩行支援機の全体や各コンポーネントの評価にUD評価チェックリストを開発設定し数値では表せない研究開発の指針を抽出する方式を可能とした.今後,活用してゆく. (注)特許が未出願のため成果の公表は見合わせる必要がある⇒調書添付する.
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