2005 Fiscal Year Annual Research Report
多数の振動モードを有する構造物のモデリングと振動と運動の制御に関する基盤的研究
Project/Area Number |
15360126
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
背戸 一登 日本大学, 理工学部, 教授 (40256798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 亨 日本大学, 理工学部, 講師 (80265933)
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Keywords | 振動制御 / 構造物 / モデリング / 制振装置 / 除振装置 / 振動センサ / 軽量化 / 高速化 |
Research Abstract |
本年は本課題実施の最終年となるので、多数の研究実績を挙げ、国際会議論文集13編、邦文雑誌論文集3編、英文雑誌論文集2編、著書1冊を発表した。 まず、論文(1)では省エネルギー化と運動性能向上を目指した軽量車体を実現する上で課題となっている、乗り心地を改善するためのアクティブサスペンション系の設計法について述べている。軽量化車体のモデル化に拡張低次元化物理モデル作成法を用い、制御系設計にはH無限大コントローラを用いていることが特徴である。 論文(2)では超高層ビルに対する大地震対策の一環として、ビル同士を連結して制御する方法(ビル連結制振法)を適用し、制振装置に可変減衰ダンパーとして知られるMRダンパーを用いていることが特徴である。これは非線形ダンパーであるので、新しい非線形制御法を提案し、パッシブ制振装置でありながら、アクティブと同等の制御結果を得ている。 論文(3)は前記ビル連結制振法では同一高さ、同一固有振動数を有する超高層ビル同士では制振できない課題に対して、制振装置の取り付け位置に段差を付けることによってこの問題を解決している。この場合の大地震に対応するにはエネルギーの不要なパッシブ制振法が必要となるので、パッシブ制振装置の最適設計法を開発している。 論文(4)ではアクティブ除振装置を大型化する際問題となる、制御のために要する消費エネルギーの増大化を解決するために、単位面積あたりの重量を軽くし、そのことによって引き起こされる除振装置の弾性振動を制御によって解決した内容である。 論文(5)は遮音壁の薄型軽量化によっても遮音効果が高められることを実証した内容である。 論文(6)は大規模搬送装置の高速化と省エネルギー化をするために必要となる軽量化に伴う振動を制御するための振動センサーについて述べたものである。センサにピエゾフィルムをポイントセンサとして用いる方法について論じている。 著書は、本課題の骨格を成す、構造物の振動制御法について体系的に纏めると共に、豊富な事例によってその実施方法を纏めている。
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Research Products
(7 results)