2004 Fiscal Year Annual Research Report
知覚フィードバックに基づく柔軟多指ハンドの高知能化
Project/Area Number |
15360141
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
有本 卓 立命館大学, 理工学部, 教授 (00029399)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 貞夫 立命館大学, 理工学部, 教授 (20186141)
小澤 隆太 立命館大学, 理工学部, 講師 (40368006)
|
Keywords | 多指ハンド / ピンチング作業 / 冗長関節系 / 安定把持 / 知覚フィードバック / 巧みさ指数 / 知的制御 |
Research Abstract |
最終年度では、多自由度の指一対で構成したロボットハンドによる安定的な物体把持(ピンチング)が、外界センサーを一切用いないで、かつ、物体そのものの運動学的パラメター(幅、質量、質量中心、慣性モーメント)も知らずに、実現可できることを重力の影響を無視した2次元水平面内で示した。これは、人間が目を閉じても、手指の姿勢が物体の近傍で適切に整えれば(このことを"preshaping"と呼ぶ)、中枢神経系からのフィードバックなしに、拇指と人差指(あるいは中指)による対向力で自然に安定把持できることに相当し、これを"blind grasping"と称した。次いで、重力の影響を直接受ける垂直平面下でもこれを可能にする制御入力の探索を試みた。対象物体の側面が非平行になると、対向力だけでは重力とのバランスを取れず、物体をころがしつつ落とす可能性が起こる。そのため、物体が傾き力を押さえる感覚信号を付加し、加えて、推定方式に基づく重力補償を組み込んでこの問題を解決した。これらの理論的考察はすべて、シミュレーションと製作したロボット指一対による実験によってその有効性を検証し、様々な作業を実現させた。 また、物体の把持と目標姿勢を同時に実現する問題には"巧みさ"が重要な働きをすることを見出し、"巧みさ指数"を導入し、拇指と人差指の各関節の役割分担が巧みさ指数を増加させ、巧みさの実現の鍵となることを見出した。 多自由度の指一対あるいは三本指による3次元物体把持については、対向直線まわりの回転(twist)が無視できれば、回転力のバランスを静的に実現させる条件を導出し、また、指と物体を含めた全体系のラグランジュの運動方程式を導いた。現時点ではシミュレータを製作し、3次元動作可能な指メカニズムの設計を終えている。研究成果の発表は本年度には間に合わなかったが、次年度には発表する予定である。
|
Research Products
(7 results)