2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360147
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 彰三 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40016655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道畑 日出夫 東京電力株式会社, エネルギー・環境研究所, 主任研究員
井深 真治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70262277)
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Keywords | 水素生成 / マイクロプラズマ / メタン改質 / プラズマ化学 / メタン転換率 / 水素選択率 |
Research Abstract |
プラズマを用いた小型高効率水素改質システムの基本要素として、内径190μnの微小ノズル電極からメッシュ電極に向かってメタンを流出させ、放電する方式を提案・実証した。プラズマ生成には高周波電源を用い、電圧2.5kV、周波数500Hz〜2kHzの範囲で行った。電極間距離500μmでは、周波数、ガス流量によらず、正弦波電圧の半周期に1回フィラメント状放電が発生している。メタン流量が小さくなるほど、また、電源周波数が高くなるほど、メタン転換率増加し、最大メタン転換率は38.5%であった。問題点として固体の炭素であるコークスの析出がある。周波数が2kHz以上では数分間でコークスにより電極が短絡され、放電が停止してしまった。対向する電極構造がメッシュと平板では、微小流量では顕著な違いは見られないが、流量が大きい場合にはメッシュ電極では転換率が大きくなる。これは発生したコークスがガス流により除去され、析出が抑制されたものと考えられる。メタン転換率の場合と同様、流量が小さくなるほど、周波数が高くなるほど水素生成率は高くなった。なお、メタン転換率が増加すると水素生成率も増加し、最大水素生成率として26.3%を得た。水素選択率は、メタン流量、電源周波数、電極形状に依存せず、ほぼ30%で一定となり、メタン転換率にも依存しない。これは生成ガスのほとんどが水素であることを考えると、このように低い数値となっているのは、生成した水素原子がコークス内に取り込まれるためと考えられる。コークスを発生させないためにはH_2Oとメタンとの反応の利用がある。そこで、飽和水蒸気圧としたH_2Oを導入して放電させたところ、二酸化炭素の生成は検出されたが、加えている水蒸気量が少なかったため水素生成には影響がほとんど見られなかった。微細ガス流を用いたマイクロプラズマによるメタン改質は小型化には極めて有効であることが分かった。
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Research Products
(3 results)