2004 Fiscal Year Annual Research Report
イットリウム系高温超伝導線材の通電特性の解明と最適導体設計法の研究
Project/Area Number |
15360151
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木須 隆暢 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (00221911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 昌睦 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (80346824)
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Keywords | 高温超伝導 / YBCO線材 / マルチフィラメント / 臨界電流 / 電界-電流密度 / バーコレーション / 機械歪み特性 / 低温レーザ走査顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、先進超伝導電力機器の開発を支援することを目的に、温度、磁界、磁界印加角度、試料の微細組織等によって複雑に変化するイットリウム系(YBCO)高温超伝導線材の通電特性を明らかにすると供に、素線の電界-電流密度特性の定式化・特性推定法を確立し、素線の最適構造の解明ならびに大電流容量導体開発のための工学的設計基盤を確立しようとするものである。平成16年度の主な成果は次の通りである。 (1)従来法における空間分解能を飛躍的に向上させた、低温レーザ顕微鏡法を用いて局所的な電磁気的評価を行い、線材内のウィークポイントにおいて臨界電流密度J_cが制限されることを明らかとした。 (2)PLD法、TFA-MOD法、CVD法など各種プロセスによる線材の、低温、高磁界領域を含む広い条件下での通電特性を評価し、プロセス間のJ_c特性の差異について定量的に示した。 (3)J_cの角度依存性に対するスケール則により渦糸のピン止め機構について調べ、ランダムポイントピン、c軸方向の相関ピン、ab面方向の相関ピンの寄与を定量的に評価できる事を示した。さらに、温度依存性に対するスケール則を用いて、任意の温度、磁界、角度の条件下の特性を推定する基礎特性を明らかとした。 (4)電磁気的特性と並んで導体応用の基礎となる素線の機械歪み特性に関して、一軸引張り・圧縮特性試験装置を開発すると共に、機械歪みによるJ_cの可逆変化を明らかとした。 (5)低交流損失化のための素線構造の基礎となるフィラメント加工について、線幅のJ_cへの影響について示すと共に、低温レーザ顕微鏡法により、並列マルチフィラメント内のJ_c不均一性の評価が可能であることを明らかとした。
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Research Products
(7 results)