2004 Fiscal Year Annual Research Report
有機ELフィルムディスプレイ作成のためのネオテクノロジー開発
Project/Area Number |
15360165
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 竜雄 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40230073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 照吉 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70023249)
山口 雅史 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20273261)
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Keywords | 有機EL / 表面状態 / 透明電極 / 導電性高分子 / 表面処理 / 分子配向 / PEDOT / イオン化ポテンシャル |
Research Abstract |
PEDOT系の材料を利用したITO代用電極の作成と有機EL素子への応用、陰極金属代用の無機電極の検討を行った。PEDOT系材料は添加剤を加えることにより、導電性の向上が見られた。しかしながら、導電性の向上の原因は、導電性高分子の分子凝集状態に起因していると考えられるので、現在膜構造を評価している。 本研究費で導入した大気雰囲気型光電子分光器により、PEDOT系の材料の作成や熱処理伴う表面状態のイオン化ポテンシャルの変化が確認された。特に表面を酸化させることにより、PEDOT系の材料のイオン化ポテンシャルが大きくなっていき、使用しているITOとのエネルギーマッチングが改善されることを確認した。また熱処理やPEDOT系の材料内の組成分布の変化がイオン化エネルギーに反映していることを大気雰囲気型分光器により容易に確認でき、本研究における有効性を再認識した。表面処理を行うことにより、イオン化ポテンシャルを制御できることを見いだし、どのような有機材料においても最適な注入効率を達成できることがわかった。現在は本手法を多の導電性高分子まで広げるよう研究を推進している。 陰極金属代用の無機電極は十分実績がある作成法であるが、有機薄膜を電極状に形成すると欠陥が多く測定が極めて困難であった。そのため、シップエミッション式の作成方法を確立した後、検討したところ、電流は観測されたが、発光強度は弱く今後検討をつつける必要がある。 本年度当初参加を予定していた有機ELに関する国際会議が、遅れに遅れて2005年1月にずれ込むまでに変更された。1月後半にこの国際会議に出席することは研究の推進に妨げとなるため、取りやめたので、旅費の執行が当初予定通りに行うことができなかった。
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Research Products
(6 results)