2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360175
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
小島 信晃 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70281491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 真史 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50268033)
大下 祥雄 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10329849)
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Keywords | フラーレン / 超格子構造 / ナノ構造 / 太陽電池 / アモルファスカーボン / カーボン / 光起電力 / 薄膜 |
Research Abstract |
C_<60>/a-C超格子構造を太陽電池に応用するためには、ドーピングによる導電率制御、およびa-C層の低欠陥密度化が必要であり、今年度はこの2つを中心に研究を行なった。 C_<60>層の導電率制御として、Mgのドーピングを試みた。C_<60>とMgを共蒸着してMgドープC_<60>膜を作製し、導電率を測定したところ、4.9x10^<-7>S/cmの導電率が得られ、未ドープの場合の4.0x10^<-13>S/cmから、約6桁増加することができた。Mgは、n型ドーパントとして有効に作用していると考えられる。 また、a-C層の低欠陥密度化のため、成膜時に水素ラジカル処理を試みた。RFプラズマ源にて水素ラジカルを供給して成膜したところ、電子スピン共鳴(ESR)で観察されるダングリングボンド等の欠陥密度は10^<18>cm^<-3>になり、水素ラジカル処理をしない場合の10^<20>cm^<-3>から大きく低減できることを明らかにした。また、a-C層の構造をラマン散乱分光法により評価した結果、sp^2クラスタのサイズが小さく、5員環が多く存在することが示唆された。他の研究機関でCVD法やスパッタリング法により作製したa-Cのラマン散乱スペクトルとは異なっており、C_<60>を出発原料として用いていることによる特徴であると考えられる。 来年度は、本年度の成果を実際のC_<60>/a-C超格子構造に適用し、太陽電池としての応用の可能性を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)