2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ局在化分子機能素子に向けた極微アンカリング界面での液晶分子サイトの制御
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15360176
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
杉村 明彦 大阪産業大学, 工学部, 教授 (90145813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 克彦 大阪産業大学, 教養部, 講師 (90388356)
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Keywords | 液晶 / アンカリング強度 / ポリシラン / ダイレクタ配向 / グレーティング / 極微アンカリング / 光位相マスク / 重水素化核磁気共鳴法 |
Research Abstract |
本年度は、極微配向規制力を有する界面材料の開発とアンカリング強度の制御を目的に研究を行った。π電子系を有する液晶分子との極めて弱い相互作用の極微アンカリングの実現のためにはπ電子系を有しない配向膜材料開発が必要である。本研究では、σ電子系一次元Siポリマー材料であるポリシラン膜を開発し、その表面形状制御による弱アンカリング配向膜の実現を目指した。ここで開発したポリシラン配向膜は、紫外線照射による光分解特性を有するため、位相マスク露光法によるグレーティング作成が容易である。すなわち、局在化したナノスケール領域での配向性ポリマグレーティングの作成により、弱アンカリング条件での液晶ダイレクタ配列制御を可能にした。具体的には、ガラス基板上に塗布したポリシラン薄膜を作成し、同薄膜に紫外線位相マスク露光法によりグレーティングを作成した。ここで、紫外線の照射エネルギを制御することにより、グレーティングの溝の深さ(8-18nm)を制御する技術を確立した。グレーティングの周期は、位相マスク、または二光束干渉系を用いることにより変化させることができ、本研究では、200nm-1000nmの範囲で変化させた。ポリシラン薄膜上での通常のシアノビフェニール系液晶5CBのアンカリング強度を先に開発した飽和閾値法を用いて測定し、その値が、8.4×10^<-5>:1.3×10^<-4>J/m^2の範囲にあることを明らかにした。この値は、通常の液晶表示素子に用いられるポリイミド配向膜の値10^<-4>:10^<-3>J/m^2に比べて約10分の1であるが、本研究の目的とする極微アンカリング強度:10^<-7>J/m^2には達しなかった。ナノスケールに局在化した極微アンカリング領域での分子のダイナミクスは、バルクでの動きとしてダイレクタの時間分解重水素化核磁気共鳴法により観測した。この結果、ダイレクタの回転角が90度の時、その回転緩和過程において2次元パウダーパターン(ダイレクタのランダム配向に対応)の出現を確認した。
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Research Products
(6 results)