2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ局在化分子機能素子に向けた極微アンカリング界面での液晶分子サイトの制御
Project/Area Number |
15360176
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
杉村 明彦 大阪産業大学, 工学部, 教授 (90145813)
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Keywords | 液晶 / 電子・電気材料 / 表面・界面物性 / アンカリングエネルギー / 弾性理論 |
Research Abstract |
平成17年度は、従来の強アンカリング配向と逆発想の極微アンカリング配向制御膜上でのダイレクタアンカリング機構を弾性理論に基づき実験的に検討した。液晶セル基板界面での表面ダイレクタと表面材料との間の異方性表面アンカリング強度は、従来、極角方向と方位角方向に対する互いに独立した二つの量として扱われ、それらの値は、液晶材料と基板界面だけでなく、測定方法やセル膜厚に依存することが報告されている。一方、本研究者は、それらの強度を容易軸と表面ダイレクタにより決定される唯一の量として定義した一般化アンカリングモデルを提案している。本来、アンカリング強度は、セル膜厚や測定方法に依存しない唯一の量であり、その実験的検証が求められている。特に一般化アンカリング理論に基づく唯一のアンカリング強度の理論的・実験的な研究が必要である。実験では、正負それぞれの誘電率異方性を有する液晶材料と、同一基板界面上でのアンカリング強度(ツイスト変形とベンド変形に対するアンカリング強度)のセル膜厚依存性を明確にした。(従来、負の誘電率異方性を有する液晶材料のアンカリング強度のセル膜厚依存性の報告はない)。本研究により、ツイスト変形とベンド変形に対するアンカリング強度は、膜厚の減少に伴い増加・飽和し、臨界膜厚近傍(0.1μm)で唯一の真の値を示すことを確認した。さらに、従来の基板界面での吸着電荷密度変化に伴うアンカリング強度変化の理論的取り扱いに加えて、ダイレクタの"熱的ゆらぎ"がアンカリング強度のセル膜厚依存性に寄与していることを明らかにした。これらの実験的・理論的な研究成果を踏まえて、極微アンカリング材料の再検討を行い、新規に開発したテフロンモノマー系材料のLB膜により、平成16年度に達成したポリシラン薄膜グレーティング膜上でのアンカリング強度の約10分の1の極微アンカリング強度(〜10^<-6>J/m^2)を有する配向膜制御を達成した。
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Research Products
(4 results)