2004 Fiscal Year Annual Research Report
バイオナノプロセスを用いた量子ドットアレイの自己組織化形成と機能素子への応用
Project/Area Number |
15360191
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
冬木 隆 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (10165459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦岡 行治 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (20314536)
畑山 智亮 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (90304162)
矢野 裕司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (40335485)
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Keywords | バイオナノプロセス / 自己組織化 / ボトムアップ / 自己組織化 / バイオミネラリゼーション / 量子ドット / 量子ドット / フローティングゲートトランジスタ |
Research Abstract |
我々はナノドットの作製と機能素子への応用をめざした研究を展開してきた。昨年は、ナノドットをシリコン酸化膜に埋め込んで、電子の充放電を確認した。容量特性、電流特性から電子がナノドットに閉じ込められていることを確認することができた。本年度はさらに、ナノドットをトランジスタのゲート絶縁膜に埋め込んだナノドットフローティングゲートメモリを試作し、メモリ効果を評価した。ソースドレインの形成されたシリコン基板に熱酸化膜を形成し、ナノドットを堆積した。CVDシリコン酸化膜を用いて、ドットを埋め込みTiをゲートメタルとして、n型MOSトランジスタを試作した。伝達特性では、ゲート電圧のスイープ方向により大きなヒステリシスを確認することができた。正の電圧を印加することにより、ドットに電子が充電され、逆にゲートを負の方向に掃引することにより電子が放電されたためであると考えられた。比較のために作製されたドットなしのMOSFETでは、全くヒステリシスが確認されなかったことから、電子がドットに充放電されていることが推察された。 充放電のメカニズムを理解するために、トンネル酸化膜の膜厚を3nmから10nmまで変化させたときの、電子の充放電特性を評価した。3nmと5nmでは、容量特性にハンプが見られたが、10nmでは見られなかった。これは、電子の充放電電流の伝導メカニズムの違いによるものであると考えられる。5nm以下の厚さでは、ダイレクトトンネリングが支配的であるのに対し、5nm以上では、Fowler-Nordheim伝導に支配されているためと考えられる。トンネリング酸化膜の膜厚とメモリ機能について、詳細な評価を行った。その結果、メモリ特性は、膜厚に強く依存し、10nmでは10の7乗回の書き込みにも耐えうることを確認した。 本研究によって、ナノドットの作製に成功し、機能素子への応用の可能性を確認することができた。
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