2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360192
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松山 公秀 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (80165919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能崎 幸雄 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (30304760)
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Keywords | スピントロニクス / 不揮発メモリ / 書き換え可能論理動作回路 / 磁性ランダムアクセスメモリ |
Research Abstract |
低電力機能動作と記録情報の安定性を併せ持つ機能分担型メモリセルの構成材料について探索すると共に,極限的なセル微細化のための自己整合型プロセスを確立して評価素子の試作、基本動作の検証実験、数値計算シミュレーションによる機能動作解析を行い,以下のような成果を得た. 1)軟磁性CoFe層と硬磁性TbFe層を交換結合させた機能分担型メモリセルの試作及び基本動作実験を行ない、熱励起下でのTbFe層の磁気特性変調効果により両磁性層の機能分担が効果的に統合出来ることを実証した。また、集束レーザビーム照射によるパルス熱励起においても同様の効果を検証し、高速動作性についての見通しを得た。 2)磁気特性の温度依存性と磁化の熱揺動をモデル化した有限温度磁化過程解析プログラムを新たに作成し、熱アシスト磁化反転過程の計算機シミュレーションを行った。これにより、交換結合膜におけるエネルギー障壁離脱過程の詳細を明らかにすると共に、効果的な機能分担機能を実現するための各磁性層磁気特性の設計指針を確立した。 3)上層の機能動作用導体パターンをマスクとして下層の磁性多層膜細線をミリングする独自の自己整合型プロセスにより,種々の層構成を有するサブμmサイズのクロスポイント構造メモリセル(CPセル)を作製し、磁気抵抗特性評価実験を行った。マイクロマグネティクス理論に基く計算機シミュレーションと上記実験結果との比較解析により、CPセルを構成する磁性層間の静磁気結合力を定量的に見積もり、各磁性層の分担機能を効果的統合するためのセル設計に供した。 4)記録情報の安定保持に不可欠な膜面内一軸磁気異方性付与方法として、基板傾斜スパッタリング成膜が有効であることを示し、磁気異方性の大きさ、異方性軸の配向度、熱安定性等の特性に関し、種々の成膜条件に対する依存性を明らかにした。
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Research Products
(6 results)