2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360192
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松山 公秀 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (80165919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能崎 幸雄 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (30304760)
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Keywords | スピントロニクス / 不揮発性メモリ / 書き換え可能論理動作回路 / 磁性ランダムアクセスメモリ |
Research Abstract |
記録情報の安定保持を担う記録層と低磁界での磁化反転を担う駆動層を、複数の磁性層により構成し、これらを磁気的に結合した機能分担型磁性不揮発メモリの基礎実験並びに動作シミュレーションを行い以下の成果を得た。 1)種々の希土類(Nd,Tb,Sm)-遷移金属(Co,Fe,Ni)合金薄膜について、記録層構成材料としての比較検討を行った結果、TbFe非晶質薄膜において、単位温度上昇あたりの垂直磁気異方性低減率が最大となることを明らかにした。また、駆動層としてNiFe膜を積層したTbFe/NiFe交換結合膜において100℃以下の温度上昇による顕著な磁化方向スイッチング磁界の低減効果を確認し、面内磁化軟磁性層と垂直磁化硬磁性層を交換結合したMRAM記憶セルにおける熱アシスト型機能分担機能を実証した。 2)交換結合2層膜における磁化過程の温度依存性と計算機シミュレーション結果との比較対応を行い、磁気異方性定数、交換定数について、各々、飽和磁化の3乗、2乗に比例した温度依存性を仮定することにより実験結果との良好な一致を得た。また磁化反転磁界低減と双安定磁化状態間のエネルギー障壁増大の相反要求充足の観点から、材料磁気特性と各層厚の最適設計を行った。さらに、層間交換結合強度の制御が各層機能の効果的分担に有効であることを示し、評価実験によりその効果を検証した。 3)才差モード磁化反転や強磁性共鳴現象を利用した新規書き込み方式について基礎的検討を行った。昇温により記録層の垂直磁気異方性と形状磁気異方性を補償することにより、膜面内磁界パルスでの垂直磁化膜の低磁界高速スイッチング動作が可能であることを計算機シミュレーションにより示した。また、強磁性共鳴周波数近傍の交流磁界印加による低電力スイッチングの可能性について、動作余裕度等評価など実用的観点からの検討を行った。
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Research Products
(6 results)