2004 Fiscal Year Annual Research Report
超音波マイクロ・ホログラフィ法による超音波中の微小気泡評価と機能性気泡の創生
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15360215
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山越 芳樹 群馬大学, 工学部, 教授 (10174640)
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Keywords | 超音波 / 微小気泡 / 音響放射圧 / マニピュレーション / Bjerknes力 / 自己組織化 / 気泡コンプレックス / ホログラフィ |
Research Abstract |
本研究では、新しい気泡応用の超音波技術の開発を目ざして、1.超音波中での気泡ダイナミクスを評価する新しい計測手段として、我々が開発してきた超音波マイクロ・ホログラフィ法を高精度化、汎用化し気泡ダイナミクスの評価手法を確立する。2.計測技術を武器にして、将来のドラッグ・デリバリ・システムや機能性気泡開発でのキーテクノロジーになる微小気泡の3つの超音波制御技術(気泡の大きさの制御、気泡運動の制御、気泡の共振特性の制御)を開発し、これを用いた機能性気泡の創生とその応用開発を行う、ことを目的とする。すでに本研究の初年度に超音波マイクロ・ホログラフィ法を用いた微小気泡のその場評価技術を構築し、これを用いて超音波造影用気泡、工業用気泡等多くの微小気泡の評価を行ってきたが、本年度は超音波による気泡の新たな制御技術として、気泡の自己組織化を用いた気泡操作技術を開発し、その応用開拓を行った。微小気泡は超音波中で気泡から放射される2次超音波と入射超音波によりBjerknes力が気泡間に働き、気泡がある大きさにまで集合する気泡の自己組織化現象を生じる。気泡が自己組織化を起すと、集合気泡の周囲には大きなBjerknes力の場が形成されるため、ここにそのままでは超音波で操作できないような気泡や微小物体を導入すると、これら微小物体はBjerknes力の場により捕捉され中心に気泡がその周囲に微小物体が取り巻くような気泡コンプレックスが形成される。この気泡コンプレックスは超音波に対して感度の高い中心気泡の感度を有するため、気泡コンプレックスとして気泡周囲に付着している微小物体を操作することができる。これが気泡の自己組織化を用いた新たな微小物体の超音波操作法の原理であるが、この方法は従来超音波操作が難しいと考えられてきた細胞組織や硬い殻を持つ微小気泡の捕捉や超音波操作を行うことができる画期的な方法である。
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Research Products
(6 results)