2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15360223
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三平 満司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00196338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中浦 茂樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20323793)
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Keywords | ノンホロノミックシステム / ゼロダイナミクス / しなり / 振り上げ運動 / 双線形システム / 非線形H∞制御 |
Research Abstract |
平成17年度においては,重力場におけるノンホロノミックシステムとして,しなりのある鉄棒の振り上げ運動の実現と,上下運動を伴う倒立振子系の制御を目指してきた. 1.しなりのある鉄棒の振り上げ運動 人間は鉄棒下で体を前後に揺動させるあふり運動を行うことで振り上げを行うことができる.この動作は鉄棒を握る部分に直接回転力を発生させることができないことから,ノンホロノミックシステムの一つとして多くの研究がなされてきた.今年度においては,より人間の動作を模擬できるよう2リンクから構成されるAcrobotモデルに対し,鉄棒のしなりとあふり動作,及びシステムに存在するゼロダイナミクスを考慮した制御則の導出を行った.また,前年度と同様に線形ばねで支持された鉄棒と,新たに製作したAcrobotロボットで構築した実験システムによる検証実験では,アクチュエータの出力に制限がある場合には,しなりのある鉄棒のモデルにおいて早く振りあがることを確認した. 2.上下運動を伴う倒立振子系の制御 最も簡易な倒立振子系とは,台車上の自由関節で支持された振子を台車の横方向の移動により制御するシステムであり,振子を倒立状態に安定化するには横方向の移動だけで制御可能であることが知られている.これに対し今年度においては,横方向の運動だけでなく上下方向の運動を上手く利用することによって,安定化制御のパフォーマンス向上を図ることを目的に,鉛直平面内で運動する倒立振子モデルを双線形システムとして表現し,非線形H∞制御手法を適用することで上下方向の入力も適宜利用するような制御則の導出を行った.また,振子を安定化するための加速度発生器として鉛直平面内で動作するシリアルリンクマニピュレータを新たに製作し,提案する制御手法の有効性を確認するための検証実験を行った.
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