2003 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ速度計測と高速多重極法を用いた非破壊評価法の研究
Project/Area Number |
15360238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 直志 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (90127118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 徹 理化学研究所, 計算科学推進室, 基礎科学特別研究員 (90360578)
吉川 仁 京都大学, 工学研究科, 助手 (90359836)
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Keywords | レーザ / 超音波 / 非破壊評価 / 多重極法 / 境界積分方程式法 / クラック / 逆問題 |
Research Abstract |
本年度は、超音波とレーザ計測を用いたクラック検出法に関する実験的研究として、まず新しく導入したレーザ速度計の性能に関する検討を行なった。導入した速度計は測定可能な周波数範囲の改善に加えて操作性が向上している事がわかった。本研究の目的とする従来より周波数の高いトランスデューサの使用として、中心周波数1MHzのもの及び広帯域トランスデューサを1〜2MHzで駆動した時の波動計測を行なった。この結果、十分な感度をもって計測を行なう事ができた。ただし、高周浪の計測を計算力学的に整理する事は多重極法のコードが完成する来年以降に延期し、本年は500KHzのトランスデュサについて解析を行なう事が適切であると判断された。一方、改善された計器の操作性を考慮し、従来用いられていなかった水平方向速度成分の計測、及び非破壊評価への利用が可能と考えられたので、これらについても計測を行なった。これはレーザヘッドを鉛直軸から傾けて保持する事により、実現可能である。保持角度は大きい方が計算精度が良いが、一方実験精度は下がる。このため、従来比較的小さい保持角度が用いられてきたが、今回の計測では、アルミ合金供試体(切り欠きのあるものとないものを含む)を使用した実験結果と境界積分方程式法に主る解析結果を比較する事により、20°まで保持角度を大きくする事が可能である事が結論された。超音波とレーザ計測を用いたクラック検出法に関する計算力学的研究としては、既開発の3次元動弾性多重極法コードにおいて曖昧に取り扱われてきた時間方向の階層性を明確化し、これをコード化した。また、大規模共有メモリ型計算機の利用を想定して、コードの並列化を行なった。この結果、従来より大規模な解析が可能となり、並列化効率も非常に良好である事が結論された。今後クラック問題への展開が必要となる。クラック決定問題の数値的解法の研究としては、従来の鉛直方向速摩成分に加え、水平速度成分を考慮した解析を行なった。このような計測法ではP波成分の振幅が大きくなるので、解析精度の向上が期待できるが、実験によりこの予測を実証する事ができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Yoshikawa, N.Nishimura: "An improved implementation of time domain elastodynamic BIEM in 3D for large scale problems and its application to ultrasonic NDE"Electric Journal of Boundary Elements. 1. 201-207 (2003)
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[Publications] 吉川 仁: "超音波-レーザー計測による波形データを用いた表面クラック決定解析の適用について"超音波テクノ. 16・2. 37-40 (2004)