2004 Fiscal Year Annual Research Report
地震時大変位に対する落橋防止システムの性能設計法に関する研究
Project/Area Number |
15360247
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
伊津野 和行 立命館大学, 理工学部, 教授 (90168328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 紘士 立命館大学, 理工学部, 教授 (90066712)
梶田 幸秀 防衛大学校, システム工学群, 助手
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Keywords | 落橋防止 / 緩衝 / 橋梁の耐震 / 性能設計 / ケーブル / エネルギー保存則 / 変形限界量 / 桁間衝突 |
Research Abstract |
1999年に発生したトルコ・コジャエリ地震と台湾・集集地震では、断層運動によるメートル単位の大変位によって橋梁が被害を受けた。橋梁直下を断層が横切る可能性は低いものの、現実に起こり得ることが明らかになった。橋脚が被害を免れても、大変位によって橋脚間距離が広くなり、最悪の場合には桁が落下することも考えられる。人的被害を最小限に抑えるためには、このような大変位に対する落橋防止システムの構築が必要である。 本研究では、橋梁構造物の耐震安全性を最終的に保障する落橋防止システムについて、耐力や変形性能および衝撃緩衝性能に関する、工学的に根拠のある新しい設計法を構築するための基礎資料を提供することを目的とする。落橋防止システムの中でも、特に、連結ケーブル方式のデバイスを対象とし、数値解析を元に要求性能を明らかにすることとした。 エネルギー保存則より、ケーブルに作用する力と緩衝装置の変形量を予測式を提案し、シミュレーションを行った結果、以下のことが明らかとなった。1.ばね定数の小さな緩衝材を使用する場合は、緩衝装置の限界変形量に達するとケーブルに作用する力が急増するため、緩衝装置の限界変形量を大きく設計する必要がある。2.ばね定数の大きな緩衝材を使用する場合は緩衝装置の限界変形量には達しないが、緩衝材を硬くしすぎるとケーブルに作用する力が大きくなり緩衝効果が小さくなる。3.緩衝装置の作動速度が大きい場合、ケーブル長を長くして、ケーブルに作用する力を抑えることが有効である。
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