Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅岡 顕 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50093175)
野田 利弘 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80262872)
金田 一広 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30314040)
高稲 敏浩 (株)淺沼組, 技術研究所, 研究員
|
Research Abstract |
1.構造の程度の異なる粘土の定率ひずみ応力比一定圧密試験による構造劣化特性に関する研究 初期に高位な構造を有し,構造が劣化しやすい粘土である場合には,塑性圧縮を伴う軟化挙動が起こる.そこで,応力比一定のもと,定ひずみ速度圧密試験を実施し,以下の結論を得た.(1)応力比が同じ場合,初期比体積が大きいほど,大きな圧縮量を示す.(2)応力比を変えた試験では,応力比が大きいほど,圧縮量の顕著な変化が明瞭になり,変化の現れる平均有効応力は小さくなる. 2.構造の発展を考慮した「擬似過圧密」の解釈に関する研究 堆積環境や固化材混合より土の構造が高位化したと仮定すると,それに応じて過圧密が発現し,応力履歴が無くても過圧密土的な挙動を示すことを,実験および構成式の応答により示した. 3.洪積粘土と沖積粘土の構造劣化を伴う一次元圧密挙動およびせん断挙動に関する研究 洪積粘土と沖積粘土の不撹乱試料を用いて,過圧密状態,正規圧密状態での圧密非排水三軸圧縮試験および標準圧密試験を実施し,自然堆積粘土の力学挙動を把握し,モデルによる記述を行った.得られた結論は以下の通りである.(1)設定した微小有効拘束圧での初期値から等方圧密過程を計算し,拘束圧の異なる正規圧密状態と過圧密状態の初期状態を得,さらに非排水せん断挙動までを,1組の材料パラメータで記述することができた.過圧密粘土において観察される「巻き返し」挙動は,塑性膨張を伴う硬化と,その後の塑性圧縮を伴う軟化挙動であり,正規圧密粘土での軟化挙動は塑性圧縮を伴うことであると,塑性力学的に解釈することができた.(2)同じ材料定数を用いて,一次元圧密挙動も正確に記述することができた. 4.特殊土の力学挙動の把握やサンプリングによる乱れの解釈 特殊土の力学挙動についても「構造劣化」の観点から考察した.また,サンプリングに伴う「乱れ」についても「骨格構造の発展」に着目し解釈を与えた.
|