Research Abstract |
従来,砕波の数値解析が困難を極めたのは,自由水面の取り扱いの困難さ故であった.近年,自由水面のトラッキング手法が急速に発達し,幾つかの有力な水面追跡法が砕波現象に適用されて実績を上げている.本研究では,粒子法,密度関数法,VOF法といった新しい界面追跡手法を導入してこの問題に対処するのはもちろん,従来の単相流的扱いから一歩踏み込んで,固液,右液といった先端的な混相流モデルに基づく砕波帯を対象とした大規模計算を実施する.本研究では,高速の計算環境をネットワークを通じて共有し分担者が個別に開発した3つのモデルで,砕波帯の構造に関して計算力学的観点からアプローチする.さらに,固液と気液,Euler型モデルとLagrange型モデルなど,分担者のモデルのサブシステムのハイブリッドな結合を進めて,近い将来の統合型のシミュレーションの実.施を模索したい. 本年度は,粒子法(京都大学,後藤)・個別要素法(大阪市立大学,重松)・C-CUP法(広島大学,睦田)が個別にこれまでのコードの並列化を個別に検討した.この内,粒子法型のコードに関しては,並列化における計算技術上の問題点を検討し,計算機のパフォーマンスを有効に引き出すための並列化型コードについて検討を進めた.具体的には,空間領域分割法による粒子法の並列化を進めて,数値造波水槽の基本部分を構築し,計算効率に関して検討を進めた.粒子法の各ルーチンの計算負荷とCPU間の通信時間のバランスを考慮した最適化のための基本データが収集できた.また,気液混相流型粒子法について基本コードの開発を実施した.さらに,京都大学では,ネットワークを経由したジョブの効率的実行に関して基本的な検討を実施した.
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