2003 Fiscal Year Annual Research Report
自由水面乱流の気液界面輸送現象の解明と計算科学的手法による界面ダイナミクスの評価
Project/Area Number |
15360265
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
禰津 家久 京都大学, 工学研究科, 教授 (30109029)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 一郎 松江高専, 土木工学科, 助教授 (60225026)
牛島 省 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70324655)
細田 尚 京都大学, 工学研究科, 教授 (10165558)
山上 路生 京都大学, 工学研究科, 助手 (80362458)
森 信人 (財)電力中央研究所, 流体科学部, 主査研究員 (90371476)
|
Keywords | 気液界面 / 二流体モデル / 高次精度スキーム / 高速演算 / 並列計算 / ギガビットネットワーク / 領域分割 / 三次元二流体計算 |
Research Abstract |
本研究では,気体と液体の界面現象を把握し,現象解明と予測評価を行うための数値解析手法を開発することを一つの目的としている.この検討では,気液界面に生ずる微細な波動現象や運動量輸送を再現するため,気液二流体に対する新しい数学モデルを導き,これを高次精度の解法とアルゴリズムを用いて,従来より膨大な数の3次元計算格子上で数値解を求める.この数値演算を高速に行うことが数値解法の開発のキーポイントとなることから,平成15年度は,その計算機環境(並列演算システム)を整備するとともに,システムの基本特性の検証を行った. 並列演算システムは,16台のPCをギガビットネットワークで結合したPCクラスタであり,分散メモリシステムを構成する.本年度はこのPCクラスタのハードウエアの組立を行い,OSと並列計算ライブラリを提供するLAMのイントールなどのソフトウエア環境の整備を行った.この並列演算システムの基本特性に関する検証を非圧縮性流体計算法を用いて行った.その結果,以下のような成果を得た. 1.領域分割に基づく並列演算を行い,非圧縮性流体計算を行った結果,ノード数の増加とともに計算速度が短縮化されるという,スピードアップの向上が確認された. 2.領域を多次元領域分割することにより,スピードアップがさらに増加する特性が確認された. 3.非構造格子を用いる場合の非圧縮性流体計算を同様に行い,スピードアップに関する同様の結果を得た. 以上のように,本年度作成された並列演算システムは気液界面現象の高速演算を行うための基本的な条件を概ね満足していることが確認できた.来年度以降は,現有の2次元気液二流体計算法を3次元化するとともに,これを高次精度の保存系スキームで解析する手法を構築し,本年度作成した並列演算システム上で動作させるための検討を進める.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Nezu, I., Yoshida, K., Ikeda, D.: "Experimental study on interfacial turbulent structures in wind-induced water waves by synchronous LDA measurements"Journal of Hydroscience and Hydraulic Engineering. Vol.21,No.1. 63-70 (2003)
-
[Publications] Nezu, I., Sanjou, M.: "3-D numerical calculation of shallow free-surface flow in time-dependent stages from rectangular to compound channels"Proc.of Int.Symposium on Shallow flows, Delft. Vol.1. 181-188 (2003)
-
[Publications] 禰津家久, 吉田圭介, 牛島省: "水面上に風シアーが存在する開水路流れ場における水・空気乱流構造に関する基礎的研究"土木学会論文集. No.733/II-63. 67-76 (2003)
-
[Publications] 牛島省, 竹村雅樹, 山田修三, 禰津家久: "非圧縮性流体解析に基づく粒子ム流体混合系の計算法(MICS)の提案"土木学会論文集. No.740/II-64. 121-130 (2003)
-
[Publications] Nezu, I, Yoshida, K.: "Fundamental study on air-water interfacial coherent structures in wind-induced water-waves flows by PIV measurements"Inland Waters (ed.I.Nezu et al.), 30th IAHR Congress, Thessaloniki, Greece. Vol.1. 235-242 (2003)
-
[Publications] 牛島省, 吉田圭介, 竹村雅樹, 禰津家久: "フラックス制御を利用する移流方程式の5次精度保存形スキーム"土木学会論文集. No.747/II-65. 85-94 (2003)