2003 Fiscal Year Annual Research Report
有明海における底泥の生物化学的環境評価とその活性度に関する研究
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15360268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松永 信博 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (50157335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 裕司 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (70243970)
安田 秀一 (独)水産大学校, 水産情報経営学科, 教授
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Keywords | 有明海 / 底泥環境 / 水質環境 / 貧酸素水塊 / 浮泥 / 底泥酸素消費 |
Research Abstract |
1)有明海西部海域における高濁度層の観測と懸濁物質による酸素消費実験 有明海西部海域における高濁度層の形成と貧酸素水塊の形成との関係を調べるために,2002年9月と2003年7月の大潮時に現地観測を行った.その結果,有明海特有の強い潮流によって高濁度層が形成され,上げ潮最強時と下げ潮最強時における濁度は海底付近で20〜40ppmにも達することが明らかとなった.DO濃度が高い場合,底面付近の濁度とDO濃度の間には負の相関が見られ、酸素消費が高濁度層の形成と密接に関係していることが示された.また,懸濁物質(SS)による酸素消費速度を室内実験により評価し,底泥表面からの酸素消費速度と比較した.その結果,SSによる酸素消費速度は底泥表面からの酸素消費速度の約13倍の値をとり,貧酸素水塊の形成にはSSによる酸素消費過程が重要であることが明らかとなった. 2)有明海の竹崎-大牟田ラインにおける成層構造と水質特性 有明海奥部における竹崎-大牟田ライン上で行った水質・潮流観測に基づいて,密度成層に伴う水質変化と物質輸送量を検討した.その結果,強い水温成層と塩淡成層が形成されると表層では赤潮が発生し,DO濃度は過飽和状態となることが示された.底層では密度成層効果と底泥の巻き上がりによってDOは低下する傾向にある.非成層時においては,Ch1.a,濁度およびDO濃度の鉛直分布は一様な分布となることが明らかとなった.また,筑後川から流出した淡水は西部沿岸に沿って南下するため,西部海域において植物プランクトンが増殖する傾向が見られ,東部海域との違いが顕著となることがわかった.非成層時においてもCh1.aとSSのフラックスは西部海域において大きな値を示し,西部海域と東部海域における輸送量に違いが見られた.さらに,西部海域の底層付近においてSSフラックスの等値線が密になることから,この領域で底質の巻き上がりが大きく,輸送量も大きいことが明らかとなった.
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 阿部淳, 松永信博, 児玉真史, 徳永貴久, 安田秀一: "有明海西部海域における高濁度層の形成と酸素消費過程"土木学会・海岸工学論文集. 50. 966-970 (2003)
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[Publications] 徳永貴久, 児玉真史, 松永信博: "干潟の底泥生態系が水質環境に及ぼす影響評価"土木学会・海岸工学論文集. 50. 1076-1080 (2003)
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[Publications] 工藤教勇, 児玉真史, 徳永貴久, 松永信博: "干潟におけるアオサの消長が生物生息環境に及ぼす影響"土木学会・海岸工学論文集. 50. 1080-1085 (2003)
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[Publications] 徳永貴久, 鵜崎賢一, 松永信博, 小松利光: "有明海の竹崎-大牟田ラインにおける成層構造と水質特性"土木学会・水工学論文集. 48. 1273-1278 (2004)
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[Publications] 徳永貴久, 阿部淳, 宗孝士, 松永信博: "有明海西部海域における高濁度層の形成に関する現地観測"土木学会・水工学論文集. 48. 1285-1290 (2004)
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[Publications] 安田秀一: "赤潮プランクトン発生・消滅に関する物理的考察-表層物質に及ぼす海洋乱流拡散と吹送流による初期分散の解析"水産大学校研究報告. 51-4. (2003)
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[Publications] Hidekazu Yasuda: "Analytical study of longitudinal mass flux due to the shear effect in a tidal basin"Journal of Oceanography. 60-3. (2004)
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[Publications] 安田秀一: "発達期の吹送流に引き起こされる表層浮遊物質の分散に関する解析法"水産大学校研究報告. 52-2. (2004)
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[Publications] 杉原裕司, 津守博通, 他4名: "海面画像計測による白波被覆率の評価"九州大学大学院総合理工学報告. 25・4. 405-412 (2004)