市民主体型コミュニティ交通システムの計画過程に関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15360278
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 中川 大 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30180251)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松中 亮治 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (70303849) ; 青山 吉隆 京都大学, 工学研究科, 教授 (80035633)
• Keywords: 規制緩和 / バス / 公共交通 / 住民参加 / 合意形成 / 利用促進 / 社会的便益 / ペネトレーション

Research Abstract

本研究は、バスの規制緩和を契機として様々なバス運営スキーム構築の可能性が広がっていることを踏まえて、これまでのバス運営の仕組みを改善し、新たに可能となると考えられる運営スキームを明らかにするとともに、実践的な検証を通じてその細部の手法を具体的に示すものである。具体的な研究内容は下記の通りである。
1.規制緩和によるバス交通に対する市民の責任意識の変化
2.市民主体型コミュニティ交通のスキームの構築と、その利点・欠点の整理
3.地域モビリティの状況調査(フィールド調査)
4.実現までの合意形成プロセスの分析(フィールドにおける実証と調査)
5.新しいスキームのシミュレーションと実証実験
6.市民主体型コミュニティ交通成立のための条件の整理と、他地域への普及施策の提示
(1)大都市中心部の循環路線、(2)大都市郊外部におけるフィーダー的路線、(3)地方都市における市街地路線のそれぞれのケースについて、運行形態・財源・既存交通システムとの連携などの面において工夫を凝らしたスキームを設計。また、それらを実際の地域において実践し、試行までの段階においては、行政や住民組織から出た意見や提案を収集・記録した。また、その新たなスキームを、運賃理論からみた妥当性・負担の公平性・制度的障害の内容などの視点から評価し、さらに、試行後においては、収支状況など実際のデータを収集し、計画・合意形成段階における知見と対比している。

Research Products

• [Publications] 中川大, 北村隆一, 塚口博司, 宗田好史, 酒井弘: "都心循環バスの利用者増加要因としての市民行動と意識変化 -京都100円循環バスの社会実験と市民応援団活動の記録から-"土木学会論文集. No.737/IV-60. 79-87 (2003)
• [Publications] 菊地渉, 青山吉隆, 中川大, 松中亮治: "学習過程を考慮したデルファイ型CVMの意義と課題に関する研究"土木学会論文集. No.751/IV-62. 71-82 (2004)
• [Publications] 中川大: "市民の手によるペネトレーション -京都・醍醐方式コミュニティバス-"交通工学. Vol.38 No.1. 38-42 (2003)
• [Publications] 近成純, 青山吉隆, 中川大, 松中亮治: "京阪神都市圏におけるモビリティ水準と交通エネルギー消費の変化に関する研究"都市計画. 38-3. 547-553 (2003)
• [Publications] Yoon Jin, Yoshitaka Aoyama, Dai Nakagawa, Ryoji Matsunaka: "AN EVALUATION OF URBAN AND TRANSPORT POLICY USING A LAND-USE/TRANSPORT INTERACTION MODEL"World Conference on Transport Research. Vol.9. 22-27 (2003)
• [Publications] 青山吉隆, 中川大: "中心市街地における歩行空間整備の便益計測"土木計画学研究・論文集. 第20巻. 191-197 (2003)
• [Publications] 青山吉隆, 中川大, 松中良治: "都市アメニティの経済学"学芸出版. 176 (2003)